第10話 傾いて候
KAC8、KAC9と連続でレビューランキング5位と望外の成績を収めたので、普通ならKAC10も……と思うところでしょうが、そこが私の変人たる
これには二つ理由があります。ひとつは、最初に書いた「参加することに意義がある」ということ。この理由についてはKAC8の所でも書きましたが、私は一周年のときも、二周年のときも、特に名誉や賞品なんか無くても、自主企画の「カクヨム○周年お祝い」イベントに参加していたのですよ。
だから、私はあえて「皆勤賞」を狙うのをやめました。お題に沿った作品を書きさえすれば貰える賞です。あえて言えば一定以上の技量さえあれば「狙える」賞なんですよ。
もちろん、締め切りが短い上にお題があるということで、皆勤できるということ自体が、その作者様の作家としての技量を証明することではあります。皆勤自体が難しいということです。それでも、最終的に212名の作者様が皆勤賞を取っています。
そこで副賞として、500円の図書カードを貰えます。これ、別に金額的には魅力ではないんですよ。あえて言えば「たかが500円」です。社会人にとっては大した金額じゃない。でも、イベントに参加した証として、記念としての価値はあるでしょう。
でも、私はそういう名誉や賞品のために書いてるんじゃないぞ、という「つまらない意地」を張りたくなったんですね。
自分でも、つまらない、下らない意地だとはわかっています。
でも、そこであえて意地を通すのが、自分なりの「
ただ、そこで「傾く」ためには、きちんと参加できる技量は示さないといけない。本当は書けないのに「書かなかったんだ」では意地を張るんじゃなくて見栄を張ってるだけでしょう。
だから、きちんとお題に沿って書いて、期限内に公開して、その上で「KAC10」のタグを付けない。しかも付け忘れじゃなくて、最初から付けないんだよというのをやりたかったんですね。
ところが、その前に立ちはだかったのが最後のお題「『カタリ』 or 『バーグさん』」だったという(笑)。
えっ、誰ソレ!?(爆)
ああ、前にプロフィール募集してた公式キャラね……すっかり忘れてました(笑)。
さてさて、これは苦手なジャンルです。パロディは得意ですし、二次創作もできないわけじゃない。前にカクヨム掲載作品の二次創作をやって、原作者様に「本物より本物くさい」と褒められたこともあります(笑)。
ただ、それをやるには一次創作の作品に強い思い入れがあって、一次創作作品のことを熟知してないと、上手く二次創作できないんですよ。
プロフィールが大ざっぱに書いてあるだけのキャラで二次創作というのは、正直厳しいんです。イメージがわかないし、話のふくらませようが無いから。
だから、この前にやっていた「メル・アイヴィー」のコンテストも不参加だったんですね。
それでも何とか書こうと色々と思い悩んでいたんですよ。まず最初にバーグさんの本名がリンドバーグであることから、「翼よあれがパリの火だ」の人とコラボするというアイデア。ただ、これ誰でも思いつくんですよね。んで、開始早々に素晴らしい作品が出てたんですよ。ええ、最終的にレビュー賞と読者賞の二冠取った作品です。あの作品を読んで、このネタは諦めました(笑)。
それで、一体何を書いたらいいのかと頭を悩ませているときに、ふと思い出したことがありました。
このKACの真っ最中にあった謎の告知です。「『キミラノ』二次創作がカクヨムに投稿できるようになりました」。
これまた「何じゃキミラノって!?」ですよ(笑)。
調べてみたら、新しいKADOKAWAのWebサービスで、趣味に合わせてお勧めラノベを紹介してくれるレコメンドサービスだとか。その紹介役キャラ6名を使った二次創作をしてもいいよ、という告知だったのです。
正直言って、バーグさんやカタリ君よりも更にポッと出感があるキャラ出されて「二次創作してもいいよ」と言われても一体誰がやるんだろうとか思ったり(笑)。
しかし、ここで思いついたのですよ。これ、そのうち「メル・アイヴィー」みたいに「カクヨム×キミラノ」のコラボコンテストやる前振りじゃないだろうかって。
そう考えると、同じようにポッと出感のあるバーグさんとカタリ君の二次創作をまずKAC10で先にさせてみたんじゃないかと思えたんですね。
そこで思いついたのが、そういうメタネタをバーグさんに語らせるという話でした。
ただ、どうも上手くまとまらなかったんですね。そこで、ふとひらめいたのが、バーグさんとキミラノのキャラ6人でアイドルグループを結成するというアイデアでした。いやいや、いっそKADOKAWAキャラでAKBみたいな大人数アイドルグループを結成して、そこでバーグさんとキミラノ六人衆がセンターを競うみたいな話にしたらどうだろう。
それを思いつけたので書いたのがこちら。
『バーグさんアイドル化プロジェクト』https://kakuyomu.jp/works/1177354054889047576
これ、途中までは思いついたストーリーに沿って書いてたのですよ。ただ、オチが全然思いつかなかった。それで、見切りで途中まで書いたんです。入ってるネタが古いのは、もう私の特徴ということで開き直りました(爆)。
で、途中まで書いたところで、私の中から勝手にオチが出てきたんですよ。★について。それで書き上げることができました。
その上で、当初予定どおり、タグは付けないで、キャッチコピーにもあえて「不参加作品」と銘打って公開しました。
これが何と★88もいただいてしまったんですね。「あえて不参加」が悪目立ちした効果もあったんじゃないかなと思います。
ただ、KAC10はやたらと激戦だったので、この数値では参加してたとしてもトップ5位には全然届かなかったと思いますが。
さて、あえて不参加を決め込んだ理由のひとつは、上記のように、ただの意地でした。ここで、もうひとつの理由を明かしましょう。
これについてはKAC1とKAC3のところで書いたんですが、要するにKAC1とKAC3の参加作品はお題を満たしてないんじゃないかってことなんですよ。
たぶん、参加してたら通るとは思います。それでも、自分的にはこれはちょっとズルかなと思ったんですね。だから、皆勤賞をもらう気にならなかった。それがもうひとつの理由です。
とまあ、このふたつの理由で、あえて参加しなかったんです。
完全に自己満足ですけど、そもそも参加理由からして「カクヨム三周年おめでとう」に「参加することに意義がある」ですから、これでいいんですよ。
と、そう思ってたんですね。ところが、最後の最後の参加賞の発表のところで、運営様の文章を見て凄く驚いたんですよ。原文はこちらです。
「カクヨム3周年記念選手権【KAC】レビューいいね、ベスト皆勤、皆勤賞を発表します」
https://kakuyomu.jp/info/entry/3rd_anniversary_all_result
私が驚いたのは以下の部分でした。以下引用。ただし傍点は私が振りました。
「KAC参加作品をはじめ、企画に関連した多くの文章を拝読しました。KACにはまって有給取得をしてまで執筆した、という方や皆勤賞なのにあえて最後のタグはつけなかったという猛者の後日談、参加作品を読んで面白い作品を発掘したというKAC専門スコッパーなどなど……。」
もし私のほかにも「皆勤賞なのにあえて最後のタグはつけなかった」
賞も賞品も取りませんでしたけど、このKACを通じて、新たに多くの作者様と知り合うことができましたし、それまで見知っていた方々でも新しい一面を見つけたり、KAC用の短編の元になった長編を拝読するようになったりと、さまざまな新しい交流が生まれました。いろいろ大変ではあったのですが、本当にKACに参加して良かったと思っています。
今回は初のイベントということで、タグの付け間違い問題だとか、自主企画でもコンテストでもなかったのでランキングがKAC作品に占拠されるなんて事も起きたりと、多少のトラブルはありましたが、まずは成功だったのではないでしょうか。
四周年のときのイベントはどうなるのかわかりませんが、ぜひ今回の経験を活かして、もっと楽しく、みんなで参加できるようなイベントにしていただきたいですね。
とまあ、つらつらと自分なりの「重い」思いを書いて参りましたが、少しでも楽しんでいただけたのなら幸いです……どこが「重い」んじゃいというツッコミはあるかとは思いますが(笑)、あくまでも私なりの思いですので、そこはご容赦ください。最後までお読みいただきまして、誠にありがとうございました。
KACへの重い思い 結城藍人 @aito-yu-ki
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