まだらにひも

@stdnt

第1話

その屋敷は、数十年の歴史を持っていた。

そして、屋敷には、笛の旋律が流れる年に、必ず犠牲者がでるという醜聞があった。

これまでも何度か、それはいつなのか特定はできなかったが、「まだらに」悲劇は起こっていた。


そしてある年の春にも、そんな悲劇を予告する笛の旋律が流れていた。

旋律の元は、自称音楽家の男。働きもせず、恋人の稼ぎを使い込んでは笛を吹き、遊び歩いていた。


「いいかげんにしてよ。もう限界よ。」

笛の旋律の予告に抗うことはできず、この年も一人の犠牲者が出ていた。

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