全ての物語に愛された読み手に

これは長い物語の第1巻にあたる。
読み応えは充分にある。
ハヤカワ文庫版『グィンサーガ』で言えば5〜6冊分。あるいは『ナルニア』で言えば優に2冊分。
または優れたファンタジーであった吉川『三国志』で言えば約3分の1くらいのボリュームがある。
もちろんこの場合のボリュームとは文字数では無く物語としてのそれであることは言うまでもない。
もしも物語を愛する読み手であれば一読して引き込まれるだろう。
この物語の世界に。
そして物語に愛される読み手にとっても申し分ない行間のふくらみがある。
あなたは緩やかに解き明かされていくこの世界の文化や歴史や人々の感情にあるいは共感しあるいは考えさせられるだろう。
そしていつの間にかこの物語の主人公たちの日常や冒険に没入している自分を発見するだろう。

読み応えのある上質なfantasyを探している読み手に推薦します。