概要
死んでほしいのはたぶん、幸せだから。
どこにでもいる夫婦の日常が非日常に変わる瞬間。
(ラノベが書きたかったはずなのに、ラノベ要素が一つも見当たりません…)
(ラノベが書きたかったはずなのに、ラノベ要素が一つも見当たりません…)
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!鬱病と上流社会というむずかしい題材をえがいた秀作。
シンプルな手法でむずかしい題材をえがいた秀作だ。
まず、檀那が鬱病――厳密には大鬱病――だという設定である。精神病をえがいた作品は、文学賞では落選しやすいといわれるが、リアリティーをだしにくいからだろう。其処がクリアーされているかはわからないが、それに挑戦しただけでも価値があるはずだ。
さらにめずらしいのは、下流家庭の主人公と対蹠するかたちで、上流社会の夫妻が登場することである。日本文學でも、世界文學でも、散文藝術でえがかれるのは、大抵、下流から中流階級の世界である。読者層が共感できるからだろう。ゆゑに、『グレート・ギャツビー』は読者に見放され、ながらく評価されなかった。たとえ、えがか…続きを読む