★★★ Excellent!!! ヒーローになれなかった男の子たち。 にゃんしー 読み終えたときの感情がよく分からない、 救いもない、 でも読み終えたとき、 すごくいいなと思ってしまったのだった。 それはたぶん、 僕も「ヒーローになりたい」と思っていたからかもしれない。 むしろ、そう思わなかった男の子なんていないんじゃないか。 作中に出てくる兄は、日本全国(世界中)どこにでもいた ふつうの男の子で、当たり前のはずが、当たり前になれなくて、 ヒーローになれなくて、死をえらぶ。 ヒーローになれた男の子もほとんどいなかっただろう。 そのぶんだけ、胸に響く。 兄の姿が自分と相似する。 妹の視点から当たり前に書かれる彼の姿が オーバーラップしてやさしく感じられるのだ。 思い出せば、ドーナツを食べる場面がすごくよかった。 それは最初に読んだとき、なんでもない場面として読む。 読み終えたときにそれが分かる。 食べることを慰霊と読んでいいなら、 母が望んだように、生きることもまたそうだろう。 レビューいいね! 2 2019年4月5日 22:28