カクヨムコン9、中間選考発表!
本日お昼に、今年のカクヨムコン中間選考の結果発表がありました。
【特別審査員賞受賞作、円城塔賞最終選考対象作品も発表!】第9回カクヨムWeb小説コンテスト / カクヨムWeb小説短編賞2023 中間選考結果を発表しました
https://kakuyomu.jp/info/entry/webcon9_nominated
この『カクヨムを使い始めて思うこと』とは別のエッセイ『落選カレンダー』の方で、前回の更新時に私は、
> なお上記カレンダーでは「3月予定」を「漠然と3月のいつか」と考えて、少し限定的な「3月下旬予定」よりも下に書いていますが、例年カクヨムコンの中間発表は3月半ばくらいなので、おそらくそちらが先のはず。それが次回の更新になるでしょうね。
と書いたのですが、その時に想定していたのは、まだもう少し先でした。
なにしろカクヨムコンの中間発表は、去年と一昨年が3月16日、その前が3月23日、さらにその前が3月19日。去年と一昨年が全く同じ日付だっただけでなく、少なくとも私が参加し始めたからは、それより早くはならなかったので、今年も3月後半になってからだろう。そのように、勝手に考えていたのです。
まあ早く発表していただけるのであれば、それに越したことはないですね。
今年は、長編の「第9回カクヨムWeb小説コンテスト」では応募総数12,309作品のうち一般部門1546作品とカクヨムプロ作家部門451作品が中間選考を通過、短編の「カクヨムWeb小説短編賞2023」では応募総数16,646作品のうち1512作品が通過したそうです。
中間通過した皆様、おめでとうございます。
上記「お知らせ」タイトルにもある通り、今年は新設された賞もある関係で、それら「特別審査員賞受賞作」と「円城塔賞最終選考対象作品」は、コンテストページでなく「お知らせ」ページの中で発表されていました。
まず興味深いのは、長編の「特別審査員賞受賞作」ですね。本来は読者選考となるカクヨムコン長編で、読者評価が低くても中間通過の可能性があるという話でしたが……。
特別審査員賞21作品の星の数を確認してみると、私が見た時点では、星4桁1作品、星3桁8作品、星2桁8作品、星1桁3作品、星0が1作品。
星4桁や星3桁の作品も含まれていたものの、私が見たのは累計の星の数ですから、カクヨムコン期間中の星としてはもっと少なかったかもしれませんし、そもそも「星2桁8作品、星1桁3作品、星0が1作品」というだけでも「読者評価が低くても中間通過できる!」は嘘ではなかった模様。
この制度が続くならば、次回以降もこの枠狙いで応募作品数は増えるのでしょうね。
続いて、短編の「円城塔賞最終選考対象作品」。私はこれ「カクヨムWeb小説短編賞2023」の一部という認識だったのですが、短編賞2023全体では「応募総数16,646作品のうち1512作品」だから約1割が通過できたのに対して、円城塔賞は「2,168作品のうち30作品」。約1%……とまではいかないにしても、それに近い印象です。非常に狭き門ですね!
これは厳しい結果だなあ、と思いました。私も「円城塔賞」タグをつけて応募した作品がいくつかあるのですが、これでは、むしろ円城塔賞にエントリーしたせいで中間通過できなくなる作品も出てきたのではないか。そんな想像もしてしまいました。
まあ「特別審査員賞受賞作」にせよ「円城塔賞最終選考対象作品」にせよ、私も応募はしたものの、結果だけ見れば完全に他人事。私の作品は残念ながらありませんでした。念のため作者名「烏川 ハル」でページ内検索しても、やっぱりヒットしませんでした。
さあ、そうなると、唯一期待できそうなのは「カクヨムWeb小説短編賞2023」全体の中間選考の方ですが……。
いきなり結果発表ページを見に行くのではなく、まずはこのエッセイの2024年2月1日「カクヨムコン応募期間終了」のページを開いてみました。
応募した短編16作品がURL付きで全て、星の多い順に並んでいます。その時点ではまだ応募期間終了に過ぎず、読者選考期間は1週間残っていましたが、最後の1週間では星もフォローも全く増えなかったので、そのページの記載が最終結果のはず。
個人的な事前の予想では、カクヨムコン短編の中間通過ラインは★30か★40くらい。それより少なくても、もしかしたら……みたいな期待も少し。
そんなわけで、星の多い順に並んだ短編16作品から「たぶん落ちているだろうけれど、少しは期待している」というような作品をいくつか、それぞれのURLをクリックしてみました。
これで作品ページに「応募中 カクヨムWeb小説短編賞2023」の表示が残っていれば中間通過したことになるし、消えていれば落選。そこで判断しよう、という試みです。
手っ取り早いのは「カクヨムWeb小説短編賞2023」全体の結果発表ページで自分の名前をページ内検索することですが、長編の方とは異なり、いくらか期待もしているのが短編の中間選考です。あまりすぐに「ひとつも通らなかった」と判明したらショックなので、あえて少し手間暇かけたかったのですね。
そんなわけで、個別にいくつかの作品をチェックしてみたのですが……。どの作品にも「応募中 カクヨムWeb小説短編賞2023」の表示が見当たりません!
最後に「これはさすがに通るだろう」という自信のあった応募作品。今年を含めて5回応募してきたカクヨムコン短編において過去最高を更新する星の数だった作品もチェックしてみました。
先ほどの「星の多い順に並んだ短編16作品」では一番上、★50だった短編です。個人的な予想「カクヨムコン短編の中間通過ラインは★30か★40くらい」に照らし合わせれば、この作品だけは通過しているはずなのですが……。
作品ページで該当箇所を見ても「応募中 カクヨムWeb小説短編賞2023」の表示がない!
これはショックでした。
まあ「★30か★40くらい」という中間通過ラインはあくまでも勝手な予想に過ぎないですし、そもそも私がカクヨムコン短編で中間通過できたのは一昨年まで。去年は「★30か★40くらい」に達するものがなく、ひとつも通過できませんでしたからね。
実は去年の時点で「★30か★40くらい」よりも通過ラインが上がっていたとしても私にはわからず、その場合今年はさらに通過ラインが上がった可能性もあるわけです。
応募者が増えた分、カクヨムコン短編も厳しくなった……。
そんなことを思いながら、一応は「カクヨムWeb小説短編賞2023」の結果発表ページも見に行きました。星の数とは無関係にカクヨム側で読んで選んでもらえる場合もあるのだから、もしかしたら先ほどチェックしなかったような星の少ない作品が通過している可能性もゼロではない……みたいなわずかな希望を抱きながら、自分の名前でページ内検索。
すると驚いたことに、検索結果として「3件一致」と表示。どうやら3作品が、カクヨムコン短編で中間通過できたようです!
具体的には、以下の3作品でした。カクヨムコン終了時の評価に加えて、その「星の多い順に並んだ短編16作品」のうち何番目だったかも付記しておきます。
『彼女が見つけたハイヒール』(1番目)
(★50、フォロー5、PV476)
https://kakuyomu.jp/works/16817330667800023112
『みんな事故で死んじゃったの!』(5番目)
(★23、フォロー4、PV43)
https://kakuyomu.jp/works/16818023212663198225
『アポトーシスで永遠を』(9番目)
(★18、フォロー4、PV383)
https://kakuyomu.jp/works/16817330668304039073
まず驚いたのが『彼女が見つけたハイヒール』。
星の数的には通過できると思っていた作品ですが、でも先ほど個別に作品ページをチェックした際には、もう「応募中 カクヨムWeb小説短編賞2023」の表示は消されていたはずなのに……?
改めて作品ページをチェック。探し直したら見つかりましたし、この時点で重大なミスに気づきました。
ほら、ちょうど今年のカクヨムコン開始直前の11月28日。このエッセイでも当時話題にしたように、作品ページのリニューアルが行われたのですよね。応募中のコンテスト表示も、以前は作品タイトルの真下の作者名の真下という目立つ位置だったのに、仕様変更によってあらすじ欄の下へ移動。頭では理解していたはずが、つい昔の習慣で「作品タイトルの真下の作者名の真下」しか見ていなかったのです。
まあ何はともあれ「星の数的には通過できると思っていた作品」がきちんと通過していてホッとしました。
しかも他にも2作品通過しているのは、いわば嬉しい誤算。
そもそも、これまで私のカクヨムコン短編の中間選考は、1年目が51作品応募で2作品通過、2年目が103作品応募で同じく2作品通過、3年目が30作品応募で1作品通過、4年目の昨年が96作品応募で全滅。だんだん通過数も減ってきていたのに、今年は過去最小の応募数で過去最大の通過数となったわけです。いや3作品程度で「過去最大」は大袈裟ですが、それでも個人的には記録更新の快挙!
続いて注目したいのが『アポトーシスで永遠を』。私の応募16作品中9番目というのもそうですが、全体で見ても「★18、フォロー4」というのは、かなりの低評価作品ではないでしょうか。
よくこれが中間通過したなあ、と思われるかもしれませんが……。
この作品を投稿した際の近況ノートに『「サイエンス」要素重視で科学知識満載の作品を』という言葉もあるように、研究関連を題材にした作品です。
具体的には、ちょっと引用が長くなりますが、同じく当時の近況ノートに、
>私が使える「科学知識」となれば必然的にウイルス関連になりますが、この方向性でもすぐには新しいネタを思いつかず、ならば「昔のネタで残っていたやつを使い回そう」と考えました。
> ここでいう「昔のネタ」とは、現在のペンネーム『烏川 ハル』で執筆活動を始めるよりも遥か昔。二次創作小説を書いていた頃に使っていたネタです。
> ちょうどギリギリまだ私が現役の研究者だった頃。最後に参加したウイルス学会で、アポトーシス関連の発表演題を聞いている最中でした。「アポトーシス関連で何か書いてみよう」と思い立ったのか、あるいは「アポトーシス関連でこんな物語を」と具体的に思いついたのか、どちらだったかまでは覚えていませんが、とにかく「アポトーシス関連の発表演題を聞いている最中に考え始めた」という物語が一つあったのです。
> 当時は二次創作用に考えたストーリーでしたが、元々は生物系の研究にもアポトーシスにもウイルスにも全く無関係な漫画の二次創作でしたから、その「二次創作」的な部分つまり原作独自の設定や世界観や登場キャラなどを排除して、オリジナル小説として話が成り立つようにも出来るはず……。
> そう考えて昔のネタを使い回して書き上げたのが、今回の物語です。
>元々のファイルを見ると、ウイルス学に関わる辺りでは当時としては最新(おそらく一年以内)の論文を参考にしている部分もあり、ただしその「当時」というのは既に十数年も昔の話。もはや「最新」でなくなった話をどう記述しようか、あるいは物語の舞台設定を現在でなく少し過去にしてしまおうか。色々考えましたが、どうせ現代ドラマでなくSFなので(その分、現実に則していない要素も許されると判断して)その辺りは曖昧なままにしておきました。
と記載しているように、かなりディープな専門知識を組み込んだ短編です。
これほど「ディープな専門知識」ではないにせよ、以前「カクヨムWeb小説短編賞2020」において、やはり研究者を主人公とした『さそり座のサンタクロース』が中間選考を通過。それは★16しかなかったので、当時最初は不思議に思ったのですが、星評価が少ないということはカクヨム側で読んで選んでくださったはず。後々「専門知識も少し含まれる作品だったから、いわば『私にしか書けない』的なオリジナリティを評価されたのではないか」と考えるようになりました。
今回の『アポトーシスで永遠を』は、実は自分でも「物語としての動きが少ない」「説明的な記述が多すぎる」というマイナスを感じている作品。それでも上述の「ウイルス学会の最中に考えた」があるように、以前の『さそり座のサンタクロース』以上に「私にしか書けない」的なオリジナリティの高い作品です。
本来「物語としての動きが少ない」ならばコミカライズには向いていないから、カクヨムコン短編で中間通過できても受賞はありえないわけですが、それでもオリジナリティの高い作品は星が少なくてもカクヨム側で評価してくださり、中間選考を通過させてくださるのだろう。
今回の『アポトーシスで永遠を』中間通過で、改めて「オリジナリティが大切!」という実感が強くなりました。
ただし、その観点からいくと、実は『みんな事故で死んじゃったの!』についてはよくわからず……。
こちらも「★23、フォロー4」だから読者評価としては高くないし、私の応募16作品中でも5番目。これより上の作品がいくつも落ちています。
ならばこれもカクヨム側で読んで通していただけた作品だと思うのですが、正直ありきたりな内容なのですよね。「『私にしか書けない』的なオリジナリティが……」みたいに誇れる要素は一切ありません。
投稿当時の近況ノートを見てみると、
> 前回「カクヨムコン期間中に投稿するつもりでストックしておいた短編も、これで最後となりました」と書いたように、今年の応募はもう終わりのつもりだったのですが……。
> ふと思いついて、突発的に書いた短編。まだカクヨムコンの応募期間中だったので、一応「カクヨムWeb小説短編賞2023」に応募しておきました。
とあるので、執筆自体も「ふと思いついて」のレベルですし、カクヨムコン短編の応募も「期間中だったので、一応」。
ちょっと何かが違っていたら応募しなかったり、そもそも生まれてこなかった作品だったのですね。そんな作品が中間通過できたのは、大袈裟にいえば奇跡みたいな話に思えます。
まあ「ありきたりな内容」といっても、作品ジャンルはホラー。それも理不尽なオカルトではなく、現代ドラマで投稿してもおかしくないような、現実的な物語。ある意味、私が好むタイプのホラー短編ですから、これはこれで「自分らしい作品」といえるのかもしれません。
なお、先ほどから「応募は16作品」と書いてきましたが、そのうちちょうど半分の8作品は、カクヨムコン期間中に投稿するで事前に用意しておいたストック。だから期間中の新規執筆は残り8作品ですが、その「残り8作品」中6作品が「短編賞創作フェス」で書いたものなので、きっかけを与えられた上での執筆でした。
だからカクヨムコン期間中に自発的に書いた短編は『アポトーシスで永遠を』と『みんな事故で死んじゃったの!』の2つのみであり、それらが両方とも中間通過できたというのは、興味深いと同時に嬉しい結果です。
最近コンテスト一次選考通過などの結果が奮わず、もちろん全くの初心者だった頃よりはマシとしても、3年目4年目あたりと比べたら良くないので「もしかしたらあの頃がピークで、執筆の腕はだんだん落ちてきた?」という気持ちもあったのですが……。
こうして「新規執筆の2作品」がどちらも中間通過できれば「まだまだ腕は落ちてないぞ」という自信にもなりますね。個人的には、これが今回の中間通過で一番良かったことかもしれません。
……と話をしめくくる感じになりましたが、ひとつ書き忘れた大事なこと。
中間通過できた『アポトーシスで永遠を』は科学知識バリバリの生物系SFであり、できれば円城塔氏に読んでもらいたいという気持ちから「円城塔賞」タグもつけていました。
でも上述の通り、私の作品は「円城塔賞」最終選考対象作品にはひとつも入っていませんでした。
要するに「カクヨムWeb小説短編賞2023」としては中間通過できたけれど「円城塔賞」の方には通過できなかった、ということなのでしょうね。
Twitterでも「『円城塔賞』タグつけて中間通過したのに、そちらの最終選考対象作品として記載されていない」とツイートしている応募者がいたので、そういうシステムなようです。
なるほど、そうやって通過作品数を絞ったから、短編賞2023全体と円城塔賞で通過割合も大きく異なるのですね。最初に考えた「むしろ円城塔賞にエントリーしたせいで中間通過できなくなる作品も出てきたのではないか」は、完全に杞憂でした。
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