KAC2024、4回目お題は「ささくれ」。しかも誘導つき……?
今回は当日のうちにエッセイ更新です。
今日のお昼に発表されたのは、KAC2024の4回目お題で……。
【3/14 11:59締切】KAC2024 第4回お題「ささくれ」
https://kakuyomu.jp/info/entry/8thanniv_KAC20244
「カクヨムからのお知らせ」ページには特に書かれていませんでしたが、Twitterのお題発表ツイートの中では、
>現在開催中の黒歴史放出祭はKACとの同時応募が可能
と書かれていましたし、カクヨム内でもベルを介した通知で同様の旨に加えて、
>思い出すたびに心がささくれてしまう黒歴史を
という記述がありました。
ささくれといえば本来、人間の指の表面の皮膚、あるいは木材や竹などで、毛羽立つ感じで剥けてしまう状態を示すはず。でも黒歴史エッセイと絡めるということは、カクヨムとしては実際の「ささくれ」ではなく心理的な「ささくれ」、心に刺さった棘みたいなニュアンスの方向性に誘導している感じでした。
とはいえ、そんな誘導はあくまでも私が「そう感じた」というだけで、別に断定されているわけでも、それに限定されているわけでもありません。
そもそも「ささくれ」というのは、4文字の平仮名ですからね。そこにどんな漢字をあてがっても良いはずであり、例えば「ささ」を「笹」と解釈したり「くれ」を「暮れ」と解釈したり。
今回のお題「ささくれ」を最初に見た瞬間、そんなことを考えてしまったので……。
そのままストレートに書いてみました。
『ささくれエピソードを語る男』
https://kakuyomu.jp/works/16818093073484431598
ありがちな思いつきを元にした小ネタです。しかし小ネタであるからこそ、ごくごく短い作品になるはずであり、800文字ジャストを狙うチャンスではないか。
そう思いながら書いた作品は900文字オーバー。確かに、少し削れば「800文字ジャスト」に出来そうだったので、そこで少し手間取りましたが、最終的に想定通り「800文字ジャスト」になりました。
投稿したのは午後1時過ぎ。
これで「ぴったりで賞」の抽選対象となる条件もクリアーできましたし、その意味では満足したのですが……。
そもそも「ありがちな思いつきを元にした小ネタ」なので、これだけでは何だか恥ずかしい。また、KAC2024では前回まで2作品ずつ出してきたので、何となくそれを続けたい気持ちもあり、早速2作品目を書いてみよう、と思い立ちました。
ところが、先ほどのようなダジャレっぽい方向性からでなく、真面目に「ささくれ」そのものを考えてみても、何も浮かんできません。頭の中が真っ白です。
この時点で、私はひとつの誤解に気づきました。
前回「『箱』に関しては考え尽くした感もあるから難しい」と思いましたが、あれは大きな誤りでした!
それこそ「考え尽くした」というほど考え込んだのであれば、頭の中に残滓がたくさん残っているはず。いわば思考の搾りかすですね。
特に私みたいに「KACは気楽なイベント」という認識で臨むであれば、搾りかすでも十分に再利用できますし、実際に私は前回、没案やそれに類するものから2作品書くことが出来た。
だから「考え尽くした」テーマは、難しいどころか、むしろ逆に簡単だったわけです。
本当に「難しい」のは「考え尽くした」の正反対で、全く考えたことのないテーマ。今回「ささくれ」で考えても「何も思いつかない」「頭の中が真っ白」という時点で、ようやくそれに気付かされたのでした。
そんなわけで、完全にゼロからのスタートです。
とりあえず、せっかくのお題系イベントなので、エッセイではなく小説を書きたい……というのは今まで通り。カクヨム運営側の誘導には敢えて乗らない方針です。
私の中で「ささくれ」のイメージは、傷というほどではないけれどそれに近いもの。とにかく「肉体的な何か」だと思ったので、できれば医学的な要素も加えてSFっぽくしてみたいなあ……と漠然と考えてみました。
英語で「ささくれ」を何と呼ぶのか調べた上で、久しぶりに Pubmed のページまで訪れて論文検索。ささくれに関する医学論文を読んでみるつもりでしたが、ザッと検索結果を見た限りでは、小説のネタに使えそうなものは出てこない。個々の論文そのものあるいはそれらの要旨だけでもチェックする予定だったのですが、それも
完全に計画変更です。「医学的な要素も加えてSFっぽく」は放棄。
それでもネットで、今度は一般的なページで「ささくれ」について調べて……。
ふと目についたのが「ささくれは親不孝」という迷信でした。
有名な迷信です……みたいな書き方だったのですが、私はこれ、知らなかったのですよね。「親不孝」あるいは「親」関連の迷信や言い伝えならば、すぐに私の頭に浮かんでくるのは「夜、爪を切ると親の死に目に会えない」とか「一番の親不孝は親より先に死ぬこと」とか。
そんなことを思ううちに、それら三つが頭の中で繋がって……。
こんな物語になりました。
『ささくれが示す親不孝』
https://kakuyomu.jp/works/16818093073490030830
最初は「現代ドラマ」として書き始めましたし、最後まで書き上げた時点でもそう思っていたのですが、投稿する段階で「これ一応は怖い話だよな?」と考え直して、ジャンルは「ホラー」にしておきました。
投稿したのは夕方4時過ぎ。お題発表から数時間で、2作品を投稿できたわけです。
そう、これでこそKACですよね。今年の私は2作品目の執筆を翌日に回したり、その回のKACについてのエッセイがさらに後になったり。でも、それではKAC関連だけで終わってしまって、他のものを書く時間がなくなってしまいます。その日のうちに全て終わらせるのを原則にしてこそ、私にとってのKACイベント!
また、今回つくづく考えさせられたこととして……。
こうして執筆のお題で「ささくれ」を与えられなければ、わざわざ「ささくれ」について調べよう、なんて気にはならなかったはず。今まで特に興味もないから知らなかったこと、あるいは「知らない」というほどではないにせよ浅い知識しかなかったことについて、調べたり調べ直したりする機会となるのが、執筆テーマを与えてくれるイベント。
そんな当たり前のことを、再認識させられたのでした。
このように「調べたり調べ直したりする機会」にもなるから面白い。先ほどの「今回はその日のうちに終わった」も含めて、今回のお題「ささくれ」は、本当に楽しめた気がします!
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