第3話  やはり僕は・・・

昭和55年の10月18日

大阪の街を歩いていた。


「何だか騒がしいな」

大阪といっての、確かなんばとか呼ばれている所だ。


親父が子供の頃に育った場所。

頻繁に来ていたが、当時の親父は10歳。


いたりして・・・

でも、わからんか・・・


でも、タバコ臭いな・・・

あれ、喫茶店の中でみんなタバコを吸っている。

当たり前だったらしいが、こうも、あからさまとは・・・


あれ?

公衆電話に長蛇の列が・・・

しかも、ダイヤル式?

初めて見た・・・


そっか・・・まだ携帯はないんだ・・・

俺の時代には当たり前だが、この時代の人には、

夢のまた夢だったんだろうな・・・


あっ、自販機・・・

えっ、エロ本?

やばくないか・・・


でもなんだ?

この違和感は・・・


あれ?

緑の帽子が多いな・・・

野球帽みたいだけど・・・


どこだ?


あっ、あれは三色帽だ。

親父から、「子供の頃のだ」と、見せてもらった事がある。


でも、確か本拠地は・・・


スマホで調べてみよう・・・って、繋がらない。

あっ、そうだった・・・


喉が渇いた。

ミクは、何もするなと言っていたが、缶ジュースならいいだろう・・・


でも、戻ってきた。

あっそうか・・・


まだ500円玉はないんだ・・・


本屋によってみる。

そうか・・・この時代は、この漫画が人気だったんだ・・・


ここにいると、人と関わりそうだ。

公園に行こう。


俺は公園に入った。

ベンチに腰を下ろす。


「ふう、疲れた」

「でしょ」

えっ、ミクの声がする。


「この時代は、この時代。君には生きていけないわ」

「確かに・・・」

「やはり、自分の生まれ育った時代が一番よ」

「身にしみた・・・」

「帰る?」

「うん」

ミクに連れられて、俺は自分の時代に帰ってきた。


「どうだった?」

「勉強になったよ。でも、どうしてそこまで俺に?」

ミクは、笑う。


「私も、令和の時代しかしらなくて、平成に行ってみたくなったの」

「うん」

「お父さんがいうんだ。ミクは自分の時代を生きろとうるさくね」

「同じだな」

さらに続ける。


「それにね、お父さんは、(俺は自分の時代を生きてた】と、うるさいんだ」

「俺と同じだ」

「普段は大好きで尊敬しているお父さんだけど、この時だけは、さすがにね・・・」

「俺もそうだ」

「だから見に来たの」

「何を?」

ミクは、続けた。


「お父さんが、私の年頃だった時代を」

「えっ」

「ありがとう。お父さん。やはり、私のお父さんだったね。昌孝くん」

ミクは消えた。


とうことは・・・

えっ、俺の娘。


「お父さん、未来で会おうね」

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現代っ子 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu

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