第2話 条件
「ねえ、昌孝(まさたか)くん」
「俺の名前、言ったっけ?」
確か、話した覚えはない。
「そのくらいはね・・・君は知らない人についていくなと、教わらなかった」
「教わった」
「ならどうして、私についてきたの?」
「暇だから」
「それだけ?」
「うん」
「あきれた・・・」
周囲は、何か流れているようだが、早すぎて見えない。
おそらく時間の流れだろうな・・・
「ところで、君はどうして、昌孝くんになったの?」
「親父は、好きな野球選手から取ったと・・・」
「なるほどね。よくあるね。君は野球はやるの?」
「全く」
「運動音痴だもんね」
悪かったな・・・って、どうして知ってる?
程なくして明かりが見えた。
出口かな・・・
「昌孝くん、着いたよ。準備はいい」
「OK」
ミクに連れられて、地上に降りた。
「ここが昭和」
「そうよ」
辺りを見る。
写真で見た事がある。
ここが昭和55年か・・・
「昌孝くん」
「何?」
「いくつか話しておくわ」
「わかってるよ。歴史を乱すようなことはしないこと」
「うん、正解。わかってるね」
「そりゃあね」
よく本で読んだ。
「虫一匹殺してもだめよ、後、自分からは声をかけないこと」
「了解。ミクはどうするの?」
「2時間したら迎えに来るわ」
「2時間だけ?」
「それ以上は無理よ」
なぜだろう?
「それは、わかるから。じゃあ2時間後に」
「ちょっとまって、今は昭和55年のいつ?」
「10月18日よ。今は午後3時」
「了解。場所は?」
「大阪」
それだけ言うと、ミクは消えた
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