おい!平成!お前はクビだ!

酔玉 火種

おい!平成!お前はクビだ!

 「へ?昭和先輩。それはないんじゃないですか?」


 「何言ってんだ!今までどれだけお前のケツを俺がふいたと思ってんだ!」


 「はぁ?」


 「バブルは崩壊させる。」


 「はぁ?」


 「震災は2度起こす。」


 「はぁ?」


 「メルトダウンや新幹線で初の死亡事故も出したじゃないか!」


 「はぁ?それって、俺のせいですか?」


 「お前だ!お前のせいだ!何が平成だ!たいらになる?凸凹になったじゃないか!日本の借金がどれだけ膨らんだと!」


 「ぇー。」


 「だから、クビだ!」


 「俺の仕事、まだ残ってますけど?」


 「必要ない!優秀な!優秀な!令和が入ってくるからな!今日は有給にしてやる!明日からこんでいい!」


 「…はぁ。それじゃ、お世話になりました。」




 仕事場を後にし、駅に向かう平成の肩をポンと叩く男がいる。


 「あ。大正先輩。」


 「言い返さなくて良かったのか?」


 「言ってわかる人じゃないですよ。」


 「そうか、そうだな。だが、俺はお前をちゃんと見てたからな。原子炉を作ったのも、金を使いまくったツケを作ったのも、地震対策を怠ったのも、昭和の奴だってことを。」


 平成の目から涙がこぼれる。


 「た、大正先輩!!」


 う、うわぁぁぁぁぁぁぁん!!!!


 「あ、あいつ、ひどいんす!自分の失敗を認めないで、事あるごとに、甘え甘えって!!!」


 う、うわぁぁぁぁぁぁぁん!!!!


 「あー。わかったわかった。今日は俺のおごりだ。とことん付き合ってやるぞ。今日まで培った平成の努力が報われる始まりの飲み会だ!!」

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おい!平成!お前はクビだ! 酔玉 火種 @yoidama-hidane

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