みんな何かに悩んでる
私、小学六年、花咲ことな。好きな教科は算数と理科。
「ことちゃーん何か悩んでる?」
「べ、別に…。」
今一緒に話しているのは桃ちゃんとなっちゃん。本当は悩みは大量にあるで、でも…、言えるはずない!私はお役目をやっていて、魔法で風やエンゼル達をあやつって人にとりついた魔鬼という敵に立ち向かうんだけど、その非科学的な問題もそうだけど浦田平一というイケメンと一緒にやるからみんなから嫉妬されるし、冷たい目で見られるしでもう最悪。別に私のせいで美少年と一緒にいる分けではないのに…。
「ことちゃん。ボーっとして大丈夫?」
桃ちゃんが言った。
「うぇ、あっ、うん大丈夫。(じゃないけど)なっちゃんは何か悩んでるの?」
「はー。」
深いため息。まぁ何に悩んでいるかは分かるけどね。
「ゆうちゃんと話せないのが悩み。」
「「やっぱり」」
私と桃ちゃんの声が重なった。ゆうちゃん、というのは本名友斗君で、なっちゃんの幼なじみ。なっちゃんの初恋の人。私は恋のことはまったくよく分からないけれど結構悩んでいるみたい。
「ことちゃんは何かある?」
「好きな人いる?」
「いないけど。」⇐これからできます。by桃
「え?平一君は?」
桃ちゃんとなっちゃんがつめよってくる。平一君だなんてつり合わないしありえないよ。それに申し訳ないよ。
放課後
「えーと。ラピスマイサリー。」
ゴスッ
「いったーい。」
「何やってんだよ。空中魔法は外でやれ。」
「は、はい~。読んでみようとしただけ何だけど体が勝手に浮いて。」
この空中魔法とやらは体が浮くから気をつけないと。いててっ。今いるのは平一君の地下室。ここでいつも魔法を練習したり覚えてるんだけど…ぜんっぜん覚えられません。あっそういえば平一君は悩みあるのかな。いつもお世話になっているから相談にのれないかな。
「平一君って悩みとかあるの?」
「あるに決まってるだろ。」
あれ?ぶっきらぼう。私なんか怒らすようなこと言った?
「練習するぞ。」
「う、うん。」
今度の運動会で二人三脚やるからその練習するの。最近息が合ってきたんだ。
「一二,一二,一二,一二…」
ズリッ
「うわわ…!」
バサッ
私がたおれたのを平一君が受け止めてくれた。のはいいんだけど、今は平一君の腕の中。ボボッッと私の顔が真っ赤になる。ドッドッドッドッ…、と心臓の音が鳴る。ふぇ~どうしてこんなに胸が高鳴ってるの!もう耐えられなくて平一君から飛び起きる。これだからどんくさ少女は困りもの。
30分後。
「練習終了。」
「ふぅ~。平一君、何で『何か悩んでる?』て、聞いたら嫌な顔をしたの?」
「お前には関係ないだろ。」
私はカチンときた。
「なによそれ。相談にのってあげようとしただけなのにそんな言い方ないじゃない。」
「お前に何が分かる。」
「分からないから、聞いてるんじゃない。」
そしてとうとう、
「「ふん。」」
私はそのまま家に帰った。もう平一君に顔を合わせようとは思わなかった。
その後。
「「ふん。」」
目を合わさると一言いって目をそらすようになった。
「ことちゃん最近どうした?平一君とうまくいってないみたいだけど。」
なっちゃんと桃ちゃんは心配そうに私の顔を見つめた。
「なるほどそういうこと。」
桃ちゃんとなっちゃんにけんかしちゃったことを話した。」
「あやまらないの?」
桃ちゃんが言った。
「そりゃあやまりたいよ。でも最近平一君の家に行ってないんだ。どうしよう。」
本当はすっごく寂しい。「なやみある?」一ついわなければこんなことにわならなかったのに…。
「あやまりに行けばいいでしょ。」
「そりゃしうだけど…。平一君が怒ってるかもしれないし。」
「それを確かめに行くんじゃない。違う?」
なっちゃんがいった。
「決めた。」
いきなり立った私に桃ちゃんとなっちゃんは目をまん丸にする。
「平一君の家に行って謝る。このままにしておけないし。」
桃ちゃんとなっちゃんに相談して良かった。何だか気が楽になった。
放課後。
習い事で平一君の家の前を通り過ぎた。いつもの道は道路工事で通れなくなっているのだ。
はぁー。
ついついため息を漏らしてしまう。そして空を見上げると…、
バサッ
「魔鬼!」
羽をバサッと空気を切って私の足もとにくるのをよけた。この魔鬼は中学生の超がつくほどイケメンで、中学の天使と言われている。でもその正体はこれまでに無いほどの強い鳥の魔鬼。
「ラピスマイサリー。」
ラピスラズリに出来る風を起こす。けどその風が羽に当たって空にまい上がっただけするとそのまま魔鬼が急降下してきた。
「うわわわわ…!」
私はパニックって変な声しか出せない。
「ルビーマイオリ―。」
どこからか火の玉が魔鬼に一直線で向かうけど魔鬼にうまくかわされてしまった。それを見て私は「はっ」とした。
「平一君!」
「この間のことは謝る。その前に魔鬼だ。」
私はコクリとうなずく。
「ラピスマイサリーナ。」
この魔法は風で温度をあやつって冷やしたり温めたりする事ができる。今回は冷やしている。魔鬼の羽は凍っていっているはずだけど…、
「ま、まさか」
全然凍ってない!
「ルビーマイサリーナ。」
今度は大量の火のこを飛ばすけど全く歯が立たない。すると魔鬼はいつもの人間の姿に戻った。
「いい暇つぶしになったよ。でもまだまだだね。」
そういってここを立ち去った。私達はぼう然としていた。あ、そうだ。
「平一君。ごめん、人のことを何にも考えないで…。」
「もういんだよ。」
そう言って私の手と取った。
「というか悪かったのは俺だ。相談に乗ってくれようとしていたのに気付かなくて。みんなから悩み何てないだしょ、て言われ続けていたから。」
そうだったんだ。平一君の事いろいろ知りたい。ん?まてよ。私、何か忘れているような…。
「どうした?ことな。」
私が難しい顔をしているから首をかしげている。ま、まずい…。
「わわわ、忘れてた習い事~~~~~~~~!」
と言って私は目的地まで駆けだした。
「ぷっ。ハハハ……。」
平一君はもう吹き出して止まらなくなっていた。
「俺はことながお役目嫌がっていたからやってくれるかが悩みだったけど、大丈夫みたいだな。習い事を忘れるほど真剣だったから。」
Let's go 過去と未来へ (短編集) 衣草薫創KunsouKoromogusa @kurukururibon
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