Let's go 過去と未来へ (短編集)

衣草薫創KunsouKoromogusa

ドキドキ❤海デート

私、花咲ことな。好きな教科は算数と理科なんだけど…そのことを知っている人はたったの一人!だって女子ってみんな国語とかが得意でしょ、だから教えたことないんだけどなんと美少年の浦田平一!私には近寄りがたい私なんだけど、

「ことな~これどうやんの?」

実は平一と私二人でお役目をやっているの。そのお役目は風やエンゼルたちをあやつって人にとりついた魔鬼という敵をおい出すんだ。しかも、70年以上前、広島に原爆を落とされるまで中学生二人でお役目をやっていたみたいなんだ。今になって私たちが継いでいる。

「えーと。どれどれー。これはね、こっちとこっちを最初に計算しちゃった方が簡単だよ。」

「サンキュー」

今いるのは平一の地下室。ここで新しい魔法を調べたり魔法の練習をしたりと、用事がない限り毎日きてやっている。そのついでに宿題しちゃおってことで今、平一が算数で苦戦中。私と平一は好きな科目が違うから本当に助かってるよ。国語と社会だめだめだから平一に何でも聞ける。

「さてと。」

私はちゃっちゃと算数終わらせて魔法を覚えようとしている。でも、昔から伝わる魔法の秘伝書をじっくり見つめているだけで全く成果なし。しかも意味不な字ずらがならんでいるからよけい覚えられない。理科と算数だったら覚えられるのに。なんてことばっかし考えていたら平一が口を開いた。

「ことな。明日遠出するぞ。」

「うん。分かった。」

私達は気になるところがあると現地に行って調べることがおおいんだ。まぁ行ける範囲はだけど。

「じゃあ、また明日。」

「あぁ」

何故か平一はいたずっらっこのような笑顔だった。

次の日。

「ごめんおまたせ。」

服を選ぶのに時間かかっちゃった。実は平一、初恋の人なの。だからこうやって一緒にお出かけできるのがうれしいんだ。

「行くぞ。」

「うん。」

ガタンゴトンガタンゴトン…

電車がゆれる。

「どこに行くの?」

「ハハハハないしょ。」

「?」

無邪気に笑う平一。なんだろう。

「ついたぞ。」

電車を降りて駅から出ると…、

「わぁー!」

そこに広がっているのは青い海。声をあげちゃうのも無理もない。

「さぁ、楽しむぞ。」

え?何の話?

バシャンッ

「わっ」

「気もちいな。」

水しぶきがとぶ。

「ねぇ平一、ここに来たのって…。」

「最近いろいろと大変だっただろ。その息抜き。」

「でも、」

魔鬼がでてくるかもしれないじゃない。と言わなくても、平一には分かったみたい。

「そんなにあせんなよ。あせったら悪い方向に言ってしまうかもしんないだろ。」

私のこと心配してくれてるんだ。ちょっとドキッとした。

「うれしい。」

小声だけど、心のそこからいった。平一はそんな私を見てうれしそうにしていた。めいっぱい水をかけ合った後、砂浜の上をてくてく歩いた。

「きれい。」

シ―グラスがそこらへんにたくさん転がっていた。

「お、シ―グラスか、いっちょ探すか。」

シ―グラス探しがはじまった。

「お!」

「何々?」

平一に近寄ってみると、きれいなピンク色のシ―グラスがあった。ピンク色は超レアだからすごい!私はきらきらした目で見ていると、

「あげないからな。」

「い、いいもん。自分でさがすから。」

海を見渡すと黒いものがこっちに近づいてくるのが見えた。

「い、イルカ!」

「魔鬼だ。戦うぞ。」

私はコクリとうなずく。波がいっきに荒くなった。

「ラピスマイサリー。」

「ルビーマイサリー。」

私と平一は空中魔法をかける。私達が浮いているしたに高い波が通る。そして後ろに砂がまってこっちにくる。

「ラピスマイオリ―。」

砂が私達にかからないようにラピスラズリにできる風をおこして砂を方向転換。その間に平一がルビーにできる火の玉を作って魔鬼にぶつけようとするけど…、

「ルビーマイオリ―。」

魔鬼によけられてプシュッと音をたてて消えてしまった。それじゃぁ、

「ふふふ…」

私の横で平一が気持ち悪いという目をしているのもきにせず魔法を唱える。

「ラピスマイオリ―。水素と酸素よ、魔鬼の上に集まれ。平一、火の玉を魔鬼の上をねらって飛ばして!」

平一は分けがわからないという顔で魔法を唱えた。

「ルビーマイオリ―。」

「平一、耳ふさいで。」

魔鬼は頭の上だと油断していた。そしていきなり…、

バンッ!

予想以上の爆音。耳ふさいで正解。肝心の魔鬼はと言いますと、気絶していた。新しい魔法使わなくても余裕のよっちゃんです!

「あれってどんな化学反応?」

「水素と酸素に火を近づけると爆発して水になるの。化学式では水をH₂Oといって、水素が二つ酸素が一つでできるんだ。小学校ではまだ習わないみたいだけど。」

語り終わったところで我に返った。わわわ、ウンチク語りすぎちゃったかも…!

「へぇ~、なるほどな。」

彼はうなずいてくれたから良かったよ~。ボンッと音がしたとおもったら黒い煙がもくもくとでて男の子が現れた。気絶している。エンゼル魔法でコンクリートのところまでひきあげた。

「ラピスを使う私にエンゼルよ助けたまえ。」

そしてちょっと時間が過ぎたら男の子は目を覚まして、事情をはなしたら家へ帰って行った。

「あれ?あそこに洞窟あったっけ?」

私は首をかしげた。

「行ってみるか。」

私と平一は洞窟の中へ入ってみた。おくまで行ってみたらラピスラズリとルビーの鉱石がしきつめてあった。

「きれい。」

とつぶやいた瞬間、視界がボヤケた。

「これどこにうめる?」

「なかなか見つからないところがいいのう。」

場所は変わってない。けど二人ここにいる人が増えている。私と平一に似ている中学生。確かさなえさんと平至さんだ。70年以上前に広島で原爆をおとされてなくなってしまった二人。何故その人がここにいるかというと、とても不思議で、いつもいつの間にか過去に来ているのだ。あの二人もお役目をやっていたらしい。

「あの人が持っている厚い本はなんだろう。」

私が言うと平一が口を開いた。

「確かどっかに強い魔法が書いてある秘伝書がどっかにあるときいたことがある。」

「本当に!」

平一はコクリとうなづく

「そうだ!日光東照宮にかくそう。あそこなら神様が守ってくださるじゃろ。」

「そうだ。それがいい。それならかってに誰かが持ち出すこともないじゃけぇ。さっそく行こう。」

「うん。」

そしてここをさなえさんと平至さん去った。視界がボヤケた。

「日光!」

「そういえば日光東照宮にいくとき自由行動だったよな。」

「うん。修学旅行たのしみになってきた~。」

「あぁ。」

次の日。

「あ、ことな。」

「どうしたの?」

「ごめんなことな。昨日休んでもらう為に海に行ったのに…。」

「だ、大丈夫だよ。それどころかすごく楽しかった。」

私はちょっとほっぺたを赤らめた。平一はほっとしたように笑った。

「ことな。ちょっとあげたいものがあるんだ。こっちに来て。」

平一の後をおったら引き出しからピンク色のネックレスを出した。

「あげるよ。」

「え、いいの?」

「あぁ。」

彼は幸せそうに笑った。私は胸の奥がほわっと温かくなった。

「ありがとう。」

こころのそこからいった。いえないけれど、大好きだよ。これ大切な宝物にするね。

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