第3話 王都探索、それと絶望

王都ルヘリデすごく良い街だった。沢山の人で賑わう商店街や色んな工場がある工業区、街の人が住んでいる住宅街、探索すると色々なものが見つかって大輝はなんだか楽しくなっていた。何よりも一番驚いたのは住宅街の建物にちょくちょく高層ビルがあることだ、ベンチに座ってたおじさんの話によるとあれはホテルだそうだ。


「けど俺金持ってないんだよな...」

大輝は金を持ってないので買い物もここに泊まることもできない。そこで大輝はふと思いついた。


「そうだ! 冒険者ギルドとかあるんじゃないか? もしあるなら早速冒険者になって金稼ぐぞ!」大輝は一人はしゃいで街の人に冒険者ギルドについて聞いてみた。ベンチで休憩してる赤髪の女の子に話を聞いてみた。


「あ、あのぉ、ちょといいですか?」

大輝は女の子と喋るのは指で数えられる程しかないので緊張していた。

「はい!別にいい...え!?な、なんでここに!?」

え?え?ちょっとまって俺なんかした? 大輝が困惑していると赤髪の女の子が

「な、なんでもないわよ!それよりなに?私になんの用?」と赤髪の女の子が尋ねてくる。


大輝はすぐさま思い出し

「あ、冒険者ギルドとかってあるんですかね?」

「あの真ん中の塔の一階にあるわよ。」

なるほどあの真ん中の塔...と言うかピサの斜塔見たいな見た目の塔の一階にあるのか、よし早速いくか。

「ありがとうございました!早速行ってきます!」大輝は元気よくお礼をいって冒険者ギルドに言ってしまった。


「ふぅ、まさかこんなにはやく会うなんて。あの人おっちょこちょいだから見といて上げないと!」大輝の後を赤髪の女の子が隠れるようにしてついて行った。


「ここが冒険者ギルドか、文字は読めないけど多分冒険者ギルドって書いてあるだろ。」

塔の一階、そこには中くらいの扉があった。その上には何やら文字が書かれていた。

「ふぅ緊張するな、てか怖いんだけど」

大輝は教室に入って扉の音でみんなに見られるアレがトラウマなので扉は嫌いなのだ。


「よし、開けるか。」

扉に手をかけ、よし!入るぞ!

ギギギィと扉が開いた。そう開けたんじゃないく開いた。おっとどうやら誰か出てきたみたいだ。なんだろうこのモヤモヤは、なんか楽しみを奪われた感じは。そんなことより扉が開きすんなり入れそうなので「お、お邪魔します…」と小さな声で一応言っといた。


中に入ると意外と広かった。てっきり荒くれ者とか居るとおもったがどうやらいないようだ。食堂もあるようでそこでご飯を食べてるパーティー?がちらほらいる。


「受付はあっちか」

大輝は食堂の向かいっ側にある受付に向かった。受付は四つあり、右からおばさん、おばさん、お姉さん、お姉さんだ。もちろん俺はお姉さんの方に行く。行く途中おばさんの圧が凄かったが何とか耐えた。


「こんにちは!今日はなんのご要件ですか?」

受付の金髪ロングのお姉さんが元気よく聞いてくる。

「えーと、冒険者になりたいんですけど」

「冒険者ですね!ただいまお待ちください!」

「は、はい」

と言うとお姉さんがどこかえ行ってしまった。


待つこと三分ぐらい。お姉さんがカードを持ってきた。

「待たせてしまってすみません!こちらが冒険者カードでございます!」

なんか学生証見たいなカードだな、と思いつつも冒険者と言う言葉にワクワクしていた。

「発行にはまずこちらに触れてください!」

と言いお姉さんが水晶玉を持ってきた。


きた!きた!コレだよこれ。これですごい数値が出てみんなに注目されたり、幸運以外ステータスめっちゃ低かったり!ここで何系主人公が決まると言っても過言じゃない!


「よし触れるぞ、そぉーと」

恐る恐る水晶玉に触れると虹色に光出した!

お!まさか!なろう系主人公なのか!?


「はい、もういいですよ。」

あれぇ?反応普通だなえぇ、期待しちゃったじゃん。

「はい、冒険者カードの発行が出来ました!あ、あと転職するにはレベルアップしないとできませんからね?」

「は、はい」


大輝は冒険者カードを受け取って食堂の席に座り突っ伏した。

あーあ。普通に発行したし、普通に冒険者ギルドだし、こんなん面白くないだろぉ。

そんな愚痴をグチグチ言っていたとき受付にある人物を見つける。


「ん?あれは光輝!?」

見ると光輝も冒険者カードを発行しに来たようだ。ふふ、光輝はどうなるかな?


光輝が水晶玉に触れると水晶玉が黒と白に輝きだした。すると冒険者ギルドにいた人達が光輝に群がる。


「え!黒と白ってすごくね! ?」

「まじで?やっとやっと魔王が倒される!」

「やっと平和が訪れるのか、やっとか!」


えぇ。やっぱアイツが主人公なんじゃ、俺はよくいるモブかなんかなのかなぁ、はぁてかなんで光輝がいるんだよ。


あ、そうかアイツ抜け出してきてもバレないのか、絶対俺もバレてないと思うけど。そう考えると悲しいなぁ。


そんなこんなで主人公じゃない感を再認識するのであった。


───続く

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

俺主人公じゃなかった かえでぇ @AsunoKaede

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ