第2話 なんやかんやで主人公ぽい

その後王様の指示で兵士達に個室へ案内された。

(よく見ればこの城立派だなぁ)

周りを見渡す限り豪華なシャンデリアや武器が飾られていた。


周りを見渡しているとある物に気づく。

なんと柱の一部がボタンになっていたのだ。


(ん?なんか書いてあるな?)

よく見るとボタンの上に絶対押すなと書かれていた跡があった。


(これって押せってことだよな)

「ポチり(ボタン押す音)」


すると四方八方に魔法陣が展開されみるみる大きくなっていった。


「これヤバくね?」

大輝は驚き慌てた様子でその場を離れようとした。だがしかし何故か足が動かないのだ。やばい! 絶対これ即死トラップだ! と思い大輝は焦る。


「やばい!やばい絶対ヤバい!」

いつの間にか魔法陣が十mぐらいの大きさになっていた。 やばいさすがにやばい! と大輝はさらに焦り始めた。 その直後大輝に向かって魔法陣から超極太レーザーが放たれた!



۞



とある街で赤髪の女の子が鼻歌を歌いながら街道をスキップしていた。

「ふっんふん♪ふっん♪今日はお散歩日和〜♪」

赤髪の女の子はご機嫌な様子でパン屋と書かれたお店に入っていった。パン屋に入るとパンの香ばしい匂いが漂ってきて、お腹が空いてくる。ぱっと見るだけでパンの種類は百個は軽く超えていた。壁にはオシャレな装飾品が飾られていてどれも高そうな物ばかりだ。


「ん〜♪いい匂い!やっほーおばさん!いつもの一つ!」

赤髪の女の子が店員のおばさんにいつもの一つと頼むと、おばさんがはいよ! いつものね! と元気な様子でクロワッサンをトレイにのせた。いつものと頼むだけあって赤髪の女の子は常連のようだ。


「はい、いつものお一つ!いつも来てくれてるからおまけして今日は二百TIK(タイキ)ね!」

白髪の優しいおばさんが普段は三百TIKのクロワッサンを百TIK値下げしてくれたようだ。


「わーい!おばさんありがとー!」

赤髪の女の子がとても喜んでる様子をみておばさんも思わず笑顔がこぼれた。


ちなみにTIK(タイキ)とはこの世界の通貨で名前の由来はこの世界を救った英雄の名前だとか、一般的にはTIKはチカと呼ばれている。


「ところでお嬢ちゃん、最近南の王都で勇者様達が召喚されたらしいわよ!」

「え! ほんとに! ...んーけど南の王都に行くのに三日はかかるよぉ〜...」

おばさんの話に一瞬喜ぶが南の王都に行く時間を考えると赤髪の女の子はしゅんとしてしまった。


この街は北の王都で賑わっていて買いたいものは全て揃っているが、南の王都から遠いという欠点があるのだ。それに王都に行く途中には沼や山、海などを越えなければいけない、過酷な道なのだ。


「ほれほれ、そんなに落ち込まないの!北の王都にもいつか勇者様達が来るかもしれないよ?」

おばさんは冗談交じりで言うと

「んー、そうだね! 待とう!」

と赤髪の女の子が張り切った様子でお店を出ていった。



۞



大輝に向かって魔法陣から超極太レーザーが放たれた! その時大輝は、いや全米が思っただろう。あ、コレ死んだ。 と、だがしかし大輝は諦めなかった。 そう、大輝はしゃがんで超極太レーザーを回避しようとしたのだ。だが、大輝は直ぐに気がついた。あ、下にも魔法陣が...あーこれ詰んだわ


目を開けるとそこは青い空に白い雲、どうやら死んではなかったようだ。

「んー、なんだここは。取り敢えず状況を整理しよう...」

大輝は深呼吸をし、目を瞑って考えた。

考えるんだ俺! まず俺は超極太レーザーに撃ち抜かれた、それから目を開けると草原に寝っ転がっていた。ワープしたのか?それとも異世界から違う異世界に転生されたとか?んー、わからん! 取り敢えず探索するか…


大輝は立ち上がり周りを見渡した。

「よく見るとすごい所だな」

大輝は見たことの無い光景に見惚れていた。

そこにはエベレストよりも高そうな山脈に、高い木の森、とにかく日本には絶対無い光景が広がっていた。そこで大輝はある物に気づく。


「ん?あれって街だよな!良かった!この世界に俺一人だったらどうしようかと思ったけどよかった!」

森の奥の方に街が...と言うか外壁があったので大輝は喜んで街の外壁へと走っていった。

見た感じ外壁の高さは五十mは超えている。これじゃもし超〇型巨人が壁壊しに来たら防げないな。そんなことより、この街かなり大きい。


「うわぁ、ワクワクしてきた!」

すると外壁に入口が次第に見え始め...ん?あれって検問だよな、俺入れるのか?と不安になりながらも入口に着いた。


「着いたのはいいけどめっちゃ並んでるじゃん!何時間待てばいいのやら。」

大輝はため息をつきしばしば列に並んだ。

てっきり列に並んでる時にヤンキーに絡まれると思ったが特に絡まれることなく自分の順番がきた。


「次の方どうぞ、まず荷物を...なんも持ってないんですか?」

結構怖い見た目のお兄さんが不審な目で聞いてきた。

「は、はい。そのー道に迷ってしまって持ち物とかないんですよ。」

咄嗟に思いついた言い訳で誤魔化す

「じゃ、この村に何故きたんですか?」

「か、観光です。」

またもや咄嗟に思いついた言い訳で誤魔化した。

「じゃ身体検査をする。」

「は、はい。」

無事身体検査でなんも引っかからなくすんなりはいれた。


「凄いなぁ、この街ひろすぎだろ!」

ちなみにこの街の名前は王都ルヘリデ。なんと王都だったのだ! みんなは北の王都と呼んでいるらしい、どうやらこの世界には北、東、西、南の王都があるとの事。それと最近南の王都で勇者様達が召喚されたとか...ん?それって俺達じゃね?ということはワープしたと言うことなのか?んー考えてもわかんないからいいや、いつか分かるだろ。


そんなことを考えながら王都を探検するのであった。

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