第6話 担当の人決定からの…

後藤が赤坂さんを担当してくれるため、僕等は残りの人を分配していった。

部長は緑川さんと黒岩くん、副部長は阿部さんと黄野くん、澪和は灰田くんと青山くん、僕は桃山さんになった。2年の僕等の内1人は、取材者が1人になるんだけど…と言われた時は、珍しく本気でじゃんけんをした。が、勝ってしまい落ち込んでいたが、女神、澪和様から交代をおっしゃって下さり、無事1人になったのである。

いざ、尋常に馳せ参じる!

取材時の注意事項を確認して、意気揚々と桃山さんの所へ向かう。

「なになに?ふむ。生徒会会員専用部屋第5号室ね」

正直、そんな物があったなんて知らなかった。普通の人は入れないからであろう。新聞部をしていると、普段は入れないところに入れるので、少し優越感がある。

着いたところは、もう凄く豪華だった。廊下の時点で、シャンデリアがぶら下がり、赤いカーペットが敷かれ、はみ出す床は、大理石でできている。なんでも、号室の数字が、少ない方が偉い人らしい。勿論1番上は、中央部生徒会会長、赤坂様に決まっている。

と、色々考えながら、無駄に長い廊下を歩いていると、「着いた」白いドアに色のグラデーションが綺麗なステンドグラスが飾り付けられた窓ガラスと金のドアノブが付いており、派手ではない、上品な美しさを感じる部屋に到着。コンコン、と二度ノックをすると、中から、「はぁーい」と澄んだ高い女の声がした。状況から察するに、桃山さんで間違いないだろう。声から分かる美少女オーラに期待が高まる。中央部生徒会を拝見できる数少ないチャンスを逃すまいと目をかっぴらいておく。そして「失礼します。」と一声かけて中に入る。

「すいません。新聞部の佐々木です。本日は、取材で参りました。桃山さんで間違いないですよね?」桃山さんに引かれないよう、精一杯の礼儀を尽くしてみる。

「はい。本日はよろしくお願いします。」想像通り、いや想像以上に可愛い桃山さんに一瞬意識が飛びかけたが、グッと堪え、簡単な自己紹介と用件を伝える。

そして、桃山さんの素晴らしさに感動してしまった。何故なら、普段はこちらが挨拶をしても、取材される側の方が偉いだろう?と、挨拶を返してくれる人は、少ないのだ。顔も中身も良いなんて、世の中の女性は、もっと桃山さんを見習うべきだ!と考えて、いかん脱線してしまった、と頭を正常路線へと切り替える。

「まずは、簡単な自己紹介からお願いして良いですか?」

「えっと、桃山 皐、12歳です。特技は…んー、あっ!データの整理とかそこから予測したりすること、ですかね。座右の銘は…温故知新ですね。趣味は、音楽を聞く事です。で、えぇっと、他には…なんかありますっけ?」

「そうですね、所属している部活とか、誕生日とか、好きな食べ物、嫌いな食べ物とかですかね。」

「なるほど!えっと、生徒会書記で、誕生日は、6月13日です。好きな食べ物は、さくらんぼで、嫌いな食べ物はピーマンですね…」

素直だ!可愛い!神さまありがとう‼︎

…げふんげふん

「ありがとうございます。それでは、今からいくつか質問をさせていただきます。

正直、生徒会の仲っていいんですか?」

「よく聞かれるんですけど、正直、本当に1ヶ月前にあったばかりなのかなって不思議に思うくらい仲がいいですよ!臣ちゃ…えっと青山くんと私、幼馴染なんですけど、人間不信の青山くんが、冗談を言いあってて、ほんと、良かったなぁって…」

少し涙ぐみながら、自分の事のように嬉しそうに話す桃山さん。美少女に心配されるなんて…うっ羨ましくなんてないんだからねっ僕だって心配してくれる美少女ぐらい、くらい…悲しくなってくるから止めよう、この話題。



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瑛華学園の伝説 @aka173

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