第5話 新聞部の佐々木君

「皆さ〜ん、とっても良いお知らせよ〜」

 新聞部の副会長は、美人だ。美人なのだが、本っっ当に笑わない。だがしかし、かわいいんだよなぁ…っじゃなくて、唯一笑う時が

「なんと、"あの"中央部生徒会から取材許可が下りました!」

 ほら、やっぱりとんでも無い事を言い出した。

『新聞部十戒その一、副会長が笑ったら逃げろ。』である。他はまた折を見て紹介しよう。などと考えている間に部長、副部長、後藤、澪和、そして僕の5人しか残っていなかった。何、だと、この僕が逃げ遅れるなんて…

「珍しいね、佐々木君が逃げ遅れるなんて。」

 人を何だと思っているのだろうか。いや、まあ確かに面倒くさくなりそうだと感じたら、いの一番に駈け出すが。今も逃げ出そうとしていたが。しかも、ついた二つ名は、《閃電の忍》《忍足・雷》という名誉なんだか不名誉なんだか分からないものだったが。

「やる気が出たなら結構だけれどね」そう言い残し、澪和は去って行った。部長の方に。ち、違うんだ、やめろっ‼︎部長に言わないでくださいぃ

「何か佐々木君、やる気満々らしいので!是非とも!佐々木君に仕事をバンバン与えてやってください」

「頼もしいわ。佐々木君、よろしくね?」

かっ可愛い…違う‼︎クッ、自称、優等生(仮)の血が騒いでしまうっ…部長にそんな目で見られたら、僕はっ、僕はぁぁあ

「えぇ。力の限りを尽くします」

屈するしかない。優等生は?とか聞いちゃいけないよ、うん。

「さてと。人数は少ないけれど、取り敢えず取材の振り分けを考えましょう。」

「あ、俺は赤坂の取材やるんで。」それじゃ、と言って後藤は帰ってしまった。

「…い、一応大物、というか大変なところが埋まって良かったけれども、勝手過ぎない?彼。」

しかし、誰も本人にいう事はできない。何故なら、彼は瑛華学園始まって以来の不良、とまで言われる男だからだ。身長は190cmをゆうに超え、握力は70kgを超えるという。運動神経は抜群で、頭脳明晰、眉目秀麗、etc…モテる要素を全て詰めた人類史上最強で最凶の漢、後藤 龍醒。



というのは些か盛り過ぎではあるが、恐らく最強である事には間違い無いだろう。これもまた、後で説明しよう。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る