かつてカロザースというアメリカ人の科学者がいた。専門は有機化学である。彼はナイロンを発明したが、持病のうつ病が悪化して自殺した。彼を雇っていたのは現在でもアメリカの超一流大企業として知られるデュポン社である。同社はカロザースに公平な待遇をしてはいたものの、ナイロンは当時の最重要機密事項とされ、彼は無名のまま死んだ。
ところで、本作。相変わらず商売下手な主人公で、いよいよ追い詰められたようだ。今も昔も天才科学者が困難な人生を送る可能性は少なくない(その反対に然るべき地位と名誉を獲得した人々もたくさんいるのだが)。
何度となくどん底に至る主人公はどうなるのか。
詳細本作。