水なき空に波ぞ立ちける

作者 吉晴

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★★★ Excellent!!!

春休み。毎年入学式には咲くはずの、高校の桜が咲かない。
染井沙穂は生物部員として、咲かない桜の謎を調査することに。
その頃、沙穂は、不思議な夢を見続けていた。
4月10日までに、桜は咲くのか。

古事記の、垂仁天皇の后・沙本毘売と兄の沙本毘古の
エピソードは一応、知ってはいましたが。
天皇、姫、兄の行動の裏にはこんな心情があったのかも、
と丁寧に紡がれる物語に引き込まれます。
最期の狭穂姫の叫びは圧巻でした。

最後の光景が、美しい。
古の歌人のようには無理と思いつつ、歌を詠みたくなります。

★★★ Excellent!!!

狭穂姫の物語をベースに、奈良の高校を舞台にした青春小説です。
毎年入学式に咲くソメイヨシノが、なぜか今年は咲かない。そんなソメイヨシノを咲かせるために奮闘する染井沙穂は、なぜか、狭穂姫の夢を見る。

読後感がよく、とても美しい小説です。作者の狭穂姫愛が伝わってきました。