放課後-放送委員会・定時放送-
『…あ、あー、あ!メーデーメーデー。全校の皆さん聞こえてますか?我らが放送委員会の定時放送の時間ですよ!』
『…っ、はぁ…テンション高っ…』
『どうしたー?テンション低いぞ
『チッ…わかってますよ、先輩』
『あっ、今、舌打ちした?』
『ていうか俺は、今日の放送サボったうちのクラスの放送委員に代わって、無理やり拉致られて仕方なくバーターやらされてるただの学級委員ですしね』
『まったく、君のクラスの放送委員のいっちゃんはけしからん奴だなぁ!新入生の癖にいい度胸してるよ!ま、そのけしからん放送委員の汚名を挽回するのも、学級委員長様の宿命だよなー』
『ボソッ(汚名は返上するもんだ、バカ)』
『ん?何か言った?』
『いえ、別に。昼に強盗籠城事件があったのに何事もなかったかのように授業を続けるこの学校の姿勢について、深く考えを巡らせてただけです』
『あっ、うん。いや、そこ凄いよね。さすがうちの高校だよね』
『いや、さすがで済む話じゃないでしょ!生徒が人質にとられた後ですよ!?それを全校集会で「不審者には気を付ける事!」で終わらせんなって話で』
『あっ、そういえば、森谷は人質の一人だって聞いたんだけど!ね、ね、どうだった!?』
『聞けよ、人の話を!…はぁ…』
『何だよー、ノリ悪いな。ちょっとぐらい教えてくれたっていいじゃーん』
『…全員、
『あっ、そうそう!橘先生がヘリから飛び降りしたってマジ!?』
『…あー、マジですマジ。
『氷室先生!?何で!?警察のじゃなかったの!?』
『…何かあの人、実家はかなりのいいトコらしいっすよ。ヘリの操縦もハワイだかハリウッド仕込みでお手のものだとか自慢されました』
『へぇー、才色兼備ってやつだな!カッコいいー!』
『(ハワイの事ワイハって言うやつがカッコいいか…?)』
『何でも、救助隊には橘先生の腰巾着の様に、
『クソにも役に立たんかったッス』
『ハハハ、いいな!俺、森谷の歯に衣着せぬ物言い好きよ!あっ、香取先生、もしこの放送聞いてても泣くことじゃないですからね!むしろ通常営業!』
『(確実に校内のどこかで泣いてるだろうがな…)』
『しかし人質全員無事で良かったなぁ!それにしても、あの暴力保険医を人質に選んだのが犯人の運のつ…(-っ、ガッ…ガガッ、ガ-)』
(-一分間放送停止…-)
『…コホン、えー、はい、先輩の途中退場により、ここからは森谷一人で仕切らせていただきます。…えー、適当にクラシックでもかけておくので、お聞きください。俺は学級委員会があるので、これにて失礼します』
-
類は友を呼ぶ! おべん・チャラー @kouya823
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます