第4話二人の恋人を失った
和弘は、栄子と付き合いだした。
「和弘が、帰って来てくれて嬉しいわ」
「もう、京子にはこりごりだ」
「何が有ったか知らないけれど、良かったわ」
京子は、卓球部を辞めてしまった。
クラスでも、和弘は、京子と目を合わせないようにしていた。
京子は、意を決して、和弘に問いただした。
「和弘、どうして、私と別れたの」
「実は、運動会の予行演習で、運動場に京子と居た時に、かがんだひょうしに、京子のオッパイを見てしまったんだ。
そうしたら、京子のオッパイが、まな板の上に、うす茶色の小さな干しブドウみたいだったんだ」
「そんな事で、別れるなんて。あなたは、最低の人ね」
京子は、その、てんまつを栄子に話した。
「栄子、和弘ったら、私のオッパイが、まな板に干しブドウ2つだから別れたんだって」
「えーっ。何バカな事言ってるの。考えられない」
「そんな和弘なら、私も願い下げだわ」
こうして、和弘は、京子も、栄子も失った。
まな板の上の干しブドウ 尾形昭 @kunio33
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