第3話 サンドスターは健康食品

A「サンドスターって体に良いんですかね?」

B「…あんたの食生活に口出しする気はないけど、半年後にはミイラになってそうね」

A「でも巷では現代の妙薬、食べて健康、お肌つやつや、若返ろうなんて言われてますよ?」

B「それは知ってる。サンドスター入りの化粧水が発売されてバカ売れしたみたいじゃない?」

A「それに味を占めていまでは何でもサンドスター入りですよ?」

B「呆れてものも云えない」

A「最近では生サンドスター入りチョコレートとか、生サンドスターソフトクリームとかも発売されているそうです」

B「生って…それ食べて大丈夫なの?」

A「今のところ体を壊した人はいないみたいです」

B「へ~…」

A「あまりにもブームが過熱しすぎたせいか、お上が調べ始めたみたいですけどね」

B「ああ…それで最近返事が全く返って来ないのね…ご愁傷様」

A「でも不思議ですよね、仮に本物だとしてもどこから手に入れてるんでしょう?」

B「確かに不思議だけど、多分あれよ」

A「あれって?」

B「偶に見かけない?漁船」

A「甲板で運動している時に偶に見たようなきがします」

B「あのトロール漁船っぽいの、魚じゃなくて海底を削り取って土砂をとっているんじゃないかって」

A「土砂を?」

B「土砂を」

A「土砂なんて二束三文にもならないっすよ」

B「この島の成り立ちを考えれば、微量とはいえアレが含まれてるとは思わない?」

A「確かに…でもサンドスターの同定方法って極秘ですよね?分離は簡単だろうけど、言い切る根拠ってなんでしょうね?」

B「それがサンドスターかどうかはこの際どうでもいいんじゃないかしら?」

A「えぇ…」

B「この辺りから取れた土砂から、この辺りでは見かけない物質が見つかったら、それがサンドスターってことでいいんじゃない?」

A「いい加減すぎる…」

B「過程はともかく結果が間違いとは言い切れないのが困った所よね」

A「取り締まったりしないんですか?」

B「何を根拠に?」

A「自然破壊とか…」

B「無理よ。漁は禁止されていないもの。魚のついでに掬い上げた土砂に買い手がついて、むしろ漁師は大喜びだそうよ」

A「…ゴールドラッシュ再び?」

B「…それだけで済めばいいけど」

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