チラシの裏

@kitora

第1話 性別って必要ですか?

A「この項目なんですけど…これ、不明は兎も角、雄・雌表記はやばくないっすか?」

B「…えぇ、でも仕様書にはそうあるし、あちらさんがそれでいいなら、それでいいじゃん」

A「そうは言っても…彼女たちを動物扱いすると、熱烈なファンに炎上させられちゃいますよ?この前の事件知ってるでしょ??」

B「…あれは…ひどい事件だったね」

A「あんなのに絡まれたくないですよ、ね?確認とったほうがいいですって!」

B「雄・雌表記がやばいのは分かったけど、代わりになんて表記するの?男性・女性?」

A「へんな事に巻き込まれたくないならそっちの方が無難かと…」

B「でもあれって見た目は女の子っぽいけど、本当にそうなのかは誰もしらないよね?」

A「まぁ、そうっすね」

B「でも元の姿の性別は大体わかっているんでしょ?」

A「知りませんよ、まぁ、ちゃんと管理してたんならわかるんじゃないですか?」

B「それなら雄・雌表記の方がしっくりくると思うけどなぁ…」

A「でも見た目は完全に女の子ですし、世間じゃ完全にヒト扱いですよ?」

B「それはそうだけど…」

A「う~ん、それじゃ記号なんてどうでしょ?ほら、あの昔よく使われていた男と女を表すやつ!」

B「記号か…それならどっちの意味にもとれるからいけそうね。でも今どきあの記号を使ったら、別の所から苦情が来るんじゃないかしら?」

A「…えぇ、そんなこと言われても…仮に来たとしても、雄・雌表記よりはましですって」

B「う~ん、でもあの団体に狙われるとオフィスに突撃されそうだし…色はどうかな?青と赤でそれとなく示すのは?」

A「センス古!!それこそ別の団体に突撃されちゃいますよ!」

B「やっぱり駄目かぁ…もういっそのこと項目なくしちゃおうか?」

A「それもありですね~」

B「それじゃそういうことで、ちょっと言ってくるよ」


[数十分後]


B「おめでとう!」

A「?」

B「全部入れる事になったよ!」

A「はぁ?工数増やしてどうするんですか??」

B「プルダウンからコンボボックスに仕様変更、選択肢を増やせるようにしてってさ!」

A「…えぇ」

B「はい、これ改訂版」


A「…性別って本当に必要ですか?」

B「今は…ね?」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る