日陰のふたり

作者 月波結

21

7人が評価しました

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★★★ Excellent!!!

二組の大学生カップルによる、心の機微を描いた作品です。

よくあるテンプレ(ツンデレとかヤンデレとか)の恋愛要素は皆無で、最初から最後まで、飽くまでも『一人の人間』として登場人物たちは描かれます。
エンタメのためではなく、ドラマのために。そのような丁寧な創り込みが、逆に読者を引っ張り、回り道をしながらも、見事にエンタメとして、この作品を成立させています。

相手を想う。愛する。考える。その尊さ、脆さ、向き合い方、人間の在り方。深く、広く考えさせられる作品です。

また、文章の構造にも唸らされるものがあります。よくぞここまで、人心の細やかな描写ができるものだなあと。それも、平易な言葉を巧みに組み合わせることによって。

単にドラマを楽しむだけでなく、ハイレベルな文章描写の勉強をしたい方にもお薦めです。

★★★ Excellent!!!

切なくて やるせなくて でも仕方ないね‥と
恋愛の非情さを思い知らされてしまいました。

恋人がいても 出会ってしまう。そして止められない思い。誰も悪くないし、誰も責められないし、恋は先着順でもないし、誰も予測できないし。
そう思うと ほんとうに怖いです。でも怖がってばかりじゃダメですよね。

大切な人には 伝えられる時に 目一杯思いを伝えておこうと思う作品です。


こんな出逢うべき人には 絶対に結婚前までに出会っておきたい。それだけを 今は祈ってしまっています。

★★★ Excellent!!!

 読み終わって、とても切ない気持ちで溢れています。

 一花、貴女とっても立派よ。
 貴女が貴女であったから、この物語は成り立っていたの。
 私、真の主役は一花だったと思っているの。

 主要人物の一人に、そう褒めてあげたい気分です。

 物語は、同じ大学内での恋のお話。

 一人の男性が、二人の女性の間で揺れる心を描いたものです。

 でも私は、女性の内の一人、一花が主役だった。そう読み終えて感じました。

 彼女は、主役である男性のことを、とても愛しく想い、そしてとても大切な人だとして、いじらしいことをする女性です。

 一花と出逢えたから、私はこの作品のことが好きです。
 彼女の軌跡を辿れたことは、とても嬉しいことでした。楽しかったです、とっても。

 最後に一言。

 雨の日に傘が必要だったのは、どちらの女性だったのか?
 そのことを気にして読むと、物語に深みを感じるかも知れません。