第3話

紗希は休日はほとんど一日中家にいる。

「お兄ちゃん!朝ごはんできたよー」

「わかった、今行く」

前に買ったゲームを一旦置いて俺はリビングに向かった、リビングには【お兄ちゃん大好き❤】と書かれたオムライスがあった。

紗希はニヤニヤしてこっちを見ていた、

「ありがとう」

いつも言われてる事なのに書いてあったら素直に喜んでしまった。

「どう?美味いでしょ、お兄ちゃんへの愛がたっぷり」

「字上手いな」

「もーそっちじゃない〜」

もちろんオムライスは美味かった、『小学生でこんな美味いもん作るとか天才かよ』と思ったらぐらいだ。

「お昼ご飯は何がいい?」

「お昼は俺が作るよ」

「お兄ちゃん料理できるの?」

「いつも紗希にやらせてるし悪いだろ?」

「全然悪くないよ!紗希、お兄ちゃんに作る料理好きだし」

「暇だし一回くらい料理してみたかったんだ、

それに妹ができて兄ができないなんてちょっと恥ずかしい」

「じゃあ…わかった、楽しみにしてるね!」

———————————————————————

料理をする事になった、勢いで『料理をする』とか言ったのを今となって後悔している。

とりあえず料理をしよう………………………………


とりあえずネットで調べよう———————————————よし分からん


『俺ってもしかしてかなりピンチじゃね?』


『どうしよーやばいよーーだって小学生の紗希が簡単そうに作ってたんだよ、簡単だと思うじゃん、紗希本物の天才かよっ!って思うくらい凄いじゃん。


そんな事考えてる暇ない、お昼終わっちゃうよどうしよう、とりあえずなんか作ろう、なんかってなんだよ、ほぼ作れないし、

カップラーメンの作り方ととレンジの使い方を知ってるぐらい………………………………』


「あ!そうだ」

———————————————————————「出来だぞ紗希」

「わーい、お兄ちゃんが紗希の為にご飯を作ってくれ……………え?」

3秒ほど時が止まった。

「どうした?」

「お兄ちゃん、これどうやって作った?」

「ご飯をレンジでチンして生卵入れて醤油かけてカップラーメン入れた」

「そっ、そうなんだー」

紗希は苦笑いしながら料理(?)を食べた

「あっ!結構いけるかも」

不味くはなかった。

「そりゃ美味いものを全部入れたんだから美味いに決まっているだろ!」

「なにその自信に満ち溢れてる顔…」

———————————————————————

美味くはなかったが紗希は言わないでおいた、

久しぶりに自信満ち溢れてる兄を見てうれしかったそれだけで満足した。


ひろきも気づいていたこの料理(?)があまり美味くない事をひろきは紗希の美味い料理のおかげで味には敏感だった、ちょっとでも紗希をラクさせたかったからやろうとしたが、逆に気を使わせてしまった、もう料理は紗希に頼む事にした。


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