第6話 最後の国・君達の国へ
ナナメ「和泉さん、お帰りの時が来たようです」
和泉 「帰る?」
ナナメ「はい、和泉さんの世界へ帰るのです」
和泉 「ボクの世界?」
ナナメ「はい、ソウデス和泉さんの生活していた世界」
和泉 「ああ、ヤッパリ。ここは『夢の中』なんだろう?どおりでおかしな事ばかり
なワケだ」
ナナメ「いいえ夢では有りません」
和泉「えっ?」
ナナメ「正確に言うなら架空の世界では無いということです。
哀れな動物達も、愚かな人間達も、傲慢な世界も、全て存在していたのです」
和泉「遙か昔……とか……?」
ナナメ「いいえ。ついさっきまで」
和泉「さっき?マデ?」
ナナメ「和泉さん、この世界で起きたことは全て和泉さんの『心』の中で起こった事です」
和泉「ボクのこころ?」
ナナメ「己の技量を謀ろうとしなかったり、無関心だったり、偽善者だったり
時に利己的だったり無知だったり……」
和泉「それは、ここで出会った動物達や人間達」
ナナメ「あれらはすべて、貴方の心が具現化したモノなのです」
和泉「あっ!」
ナナメ「思い出しましたか?貴方はそれら数々の『心の矛盾』に耐えられなくなって
心を『壊して』シマッタのです」
和泉「そうだ、ボクは病院のベットで横になっていて、何かを考えようとするたびに闇と恐怖に襲われて。そしたらナナメがやってきて言ったんだ」
和泉・ナナメ「冒険へ出かけませんか?」
ナナメ「思い出したようですね。貴方はこの世界で自分の心と向き合いそして、全ての問題に自ら答えを出しました。もう、和泉さんの心に矛盾は有りません。これでおわかれです」
和泉「ちょっとまってよ!!!!貴方は、ナナメは何故ボクを助けてくれたの?」
ナナメ「……」
和泉「ナナメ、あなたは、誰なの?」
さようなら、和泉くん。最高の目覚めを!
和泉君の不思議の国の大冒険 漆目人鳥 @naname
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