クリームソーダって、とても美しい飲み物だと思います。透明で、緑色で、泡があって。ソーダーの上には、白いクリームと、赤いさくらんぼ。でも、大人はちょっと頼みづらい。そんなクリームソーダが大好きな少女が見る最後の夢。クリームソーダは、はじける泡も、美しい。
私もあれは大好きだ。今でもたまに飲む。そして、飲み尽くしたあと、氷が溶けて微妙な味わいになったのをまた飲むのが良い。 本作は、いささか子供っ気の抜けない少女がメルヘンチックな夢を経て精神的にも肉体的にも目覚める内容になっている。両親の惜しみない愛情が垣間見えるようになっている筆致がまた良い。 詳細本作。
暖かな毛布があれば、それにくるまっていつまでも眠っていたいと願いはしても、起きないと余計にひどい目に会うから起きないわけには行かない。「起きなきゃいけないけど、起こしてくれる人はいつまでもいるわけじゃないよ」という事実に向き合った時の喪失感を思い出すと共に、「自力で起きた後には、意外と良いこともたくさんあるんだよ」というエールを送りたくなる作品。とりあえず実家の母に電話でもしようかと思います。