「叶えてみせる。必ず―――」

生まれ変わり。
汚泥のような前世とは違う幸福な日々。
しかし身の内から食い破るような激情は消えない。

やがて幾度の闘争を経て、アベルは魂の半身とも言える存在に出会う。
王子ガイアケロン。自分と同じ願望を持つ男。
ガイアケロンの望みを叶えれば、きっとこの渇きも満たされるはず―――。

血の噴き出る戦場、魂を研ぐような闘い。
欲望と狂気渦巻くアベルの瞳は、抗うことの出来ない引力をもってすべてを巻き込んでいく―――。

その群青の瞳を覗き込んだとき、あなたもきっとこの戦いから逃れられなくなるだろう…。

このレビューの作品

獣の見た夢