いきなり銃口を突き付けられているというショッキングな場面から始まる本作品。
事の始まりは3分前。ケーキ店でアルバイトをする少年・烏丸鳩也は暴力団の梟島組に拉致されてしまい、「お前の正体は殺し屋『カッコウ』だろう」と、激しい尋問を受けることになってしまったのだ……。
『カッコウ』の疑いをかけられた鳩也だが、ヤクザたちの言い分はほとんど難癖で、しまいには名前が鳥っぽいから『カッコウ』に違いないと言い出す始末。状況は深刻なはずなのにどこか空気はコミカルでついつい楽しく読み進めてしまうのだが、そうやって油断していると物語は突然思わぬ方向へ急転換する。
作中で経過する時間も3分ですが、実際に読み終わるまでにかかる時間も約3分間。果たして本当に勘違いしていたのは誰だったのか?
時間経過から読者の心理まで、色々な角度から計算された作者の技巧を堪能してください。
(「ああ……勘違い!」4選/文=柿崎 憲)