「ルールって何なんだ」

滝川創

ルールって何なんだ

 「ルール」。それは、社会の秩序を守るため、人間が生み出した、目に見えない「鍵」である。

 「ルール」は人々や集団を守るためにあり、そして、それと同時に人々を閉じ込める働きもしている。


 世の中には、数え切れないほどのルールが散らばっている。

 町を歩けばそこら中に「ルール」が落っこちているのが見つかるだろう。

 信号機、禁煙の看板、「犬の糞は主人がお持ち帰り下さい」の張り紙。

 世の中はルールで満ちあふれている。


 それぞれの会社に、それぞれの学校に、それぞれの施設に、そして、各家庭にもルールはあるだろう。

 このようにはっきりとしたルールもあれば、誰も言わないが、確かに存在している「暗黙のルール」というのもあるだろう。


 そして、ルールは国ごと、宗教ごとで共通する物から、地球全体で通じるものまである。

 例えば、「人を殺してはいけない」というルールは世界で広く通用するのではないだろうか。



 だが、人々はそのルールに従わないことが多々ある。

 世の中には駐車禁止の看板の前に駐車をする人がいる。与えられた仕事をさぼっている人がいる。そして、今もある国では戦争が続き、罪のない人々の命が奪われている。


 ルールを守るように注意をした人がいても、守っていない人がそれを抑えてしまう、なんていう環境まである。




 「ルール」って何なんだ。




 ある人は次のように言った。

「ルールは守るために作られたものなのだから、守らないとルールを作った意味がない」

 たしかに、ルールを定めた側の視点から見れば、そのとおりだろう。

 だが、ここには問題点がある。それは、ルールを作る際に、ルールに従う人々の同意を取っていないという場合だ。

 これは、一方的な押しつけのようにも考えられる。

 もちろん、全て同意を得ることは難しいだろうが、遠い昔の人が決めたルールに、必要性を感じない時があるというのは事実だと思う。


 当たり前だが、人間界のルールという物は、人々が誕生するまで、自然界には存在しなかった。

 人間が作り出したものであるため、それは破ろうと思えば破ることができる物が多い。

 人を殺すことでさえ、石を持ってそれを相手の頭に叩きつければ実際にできることなのだ。だが、そのようなことを防ぐために、大抵の場合、ルールを破ったものには罰が用意されているとは思う。


 私はルールは大切なものであると思う、だけれども、ルールの中には、「メリットがなく、デメリットばかりのルール」というものも存在すると考えている。

 人間は完璧ではない。人間は失敗する生き物だ。

 そのため、最初に「ルール」を作った人が過ちを犯すことだって十分あり得る。

 それ故に、私たちはルールについて、問題のある部分があった場合、よく考えて修正する必要がある。

 ここで、何よりも大切なのが「よく考える」という事だ。

 言うだけならば簡単だが、「よく考える」というのは難しいことだ。

 関係する複数人で話し合い、慎重に修正する必要がある。

 これを失敗すると、「ルール」によって守られていた物が暴れ出したりすることがあるからだ。




 色々と書かせて頂いたが、私が結局大切だと思うことは、「深く考えること」だ。

 既に決められたことや、物事の表面だけを見て、何も考えずに行動すると、失敗に陥る。

 従って、よく考え、修正が必要な部分には修正を加え、既に良い部分はそのまま継続するように、するべきだろう。



 私は、「ルール」をただ「ルール」という言葉として捉えるのではなく、その本質を見て、それの持つ意味を考えていくことを大事にするべきだと考えている。

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