掃除屋ルンヴァ

作者 神岡鳥乃

84

30人が評価しました

★で称える

レビューを書く

★★★ Excellent!!!


常日頃から僕は思っていることがあります。

『一見ふざけた内容をクソ真面目に書ける人はすごい』

この観点からいくとこれはもうすごい。

題名で笑かして、内容で圧倒する。

その吸引力ったら、もう変わらないただ一つの掃除機を超えています。

そして短編ならではの爆発力から生み出される『ルール』というお題さえも超越したメタフィクション。

ネタ抜きに一度読んでみてください。

★★★ Excellent!!!

『ロボット三原則』

いまやSFマニアならば知らぬ者などいないであろう、有名な三つの原則である。

詳細は本編にも記されているので割愛させてもらうが、とにかくロボットにとっては絶対服従しなくてはならないプログラム、と思ってもらえれば充分だろう。

そう、まさに絶対の『ルール』なのだ。

三原則の生みの親であるアイザック・アシモフさんを始め、多くのSF作家たちがときにこの三原則の盲点を突き、ときに三原則のさらなる解釈を生み出し、ロボット小説の枠を大きく広げていった。

本作も、生粋のSF創作家であろう神岡さんの腕が鳴りに鳴って、またしてもユニークなロボット三原則の物語がここに製造された。

KAC5のテーマである『ルール』を描くに際し、『ロボット三原則』を持ち出してきた神岡さんのSFセンスはさすがの一言である。

タイトルにも書いてある無敵の環境浄化マシーン〈ルンヴァ〉の脅威に震えながら、神岡さんだからこそ作れるロボットSFワールドを堪能してほしい。

★★★ Excellent!!!

ルールは、人間が人間のために定めたものでしかありません。だから、そこから逸脱してはならないのは人間だけです。人間でいることは、普通でいることは、そんなに大切ですか? そんなに大切なものではないかもしれません。あるいはそんな反抗心に、人間らしさがあるかもしれません。自分は、自分の意思で生きたい。たとえそれが、誰かに定められたものであっても。こんなことを考えました。素敵な作品を、ありがとうございます。

★★★ Excellent!!!

 娯楽SF活劇のなんたるかを味わい尽くせるのと共に、お題を完璧に消化していつまでも二人の姿を頭に焼きつける灼熱の傑作。博士の言動は人類の最後の良識といってよく、彼女は最後の希望であろう。
 古典SFファンなら誰でも知っているロボット三原則を巧みに取り入れ、ルールを越えたルールが良識と希望の三位一体になる様子は血が沸きたち肉が踊る。
 必読。

★★★ Excellent!!!

今やSFではなくなったロボット。
おそらくこの先何十年か百年かしたら、イヴの時間のような高性能アンドロイドが出てくると思ってる。その頃にはルンバだって掃除屋としてより進化した形になってるのかもしれない。この話はそんな遠いようで今と地続きな未来を描いてると感じました。

ロボットが夢物語だった過去の時代や、この先の未来では生み出されない、ロボットが台頭してきているちょうど今の時代にしか描けないであろう世界観。
同時に、ロボットという普遍的な概念における視点でしか描けない選択、末路がまとまっていて良かったです。
長編で読みたい。