ルールに縛られる人間と、ルールに縛られない人間。面白いです!
ひょうひょうとした語り口が印象的な破壊神さんである。破壊神にさんづけをするなど本尊(!?)が怒りそうだがまあ許せ。発音しにくいが我慢しよう。 人間の持つ頓珍漢な矛盾が破壊神さんの視点で暴かれていくのは痛快なカタルシスがある。その上に、少女がとつとつと語る身の上を重ねて本作におけるバベルの塔が完成する。破壊の前の建設だ。 破壊神さんの仕上げには、読者諸賢、ゆめゆめお見逃しなく。
ルール縛りのKAC5ですが、お題の回収が見事です。破壊神なのでルール度外視、でもなんだか真面目な破壊神に親しみが持てました。破壊神って凶暴だよなーって思っていましたが(バスタードみたいに)、案外いい人だったのでほっこりします。締め方も綺麗で安心、誰も不幸にならない。KAC5有数の良作だと思います。