45話 元気でな!

俺達は臨時休校の連絡を受け、自宅へと帰っている


「じゃあねー」


キリカは突然立ち止まり、俺とシャーノに手を振り始めた。 恐らくアイツの家はここら辺なんだろう


「じゃあな、ちゃんとベッドで寝ろよ!」


「寝る前にテレビとか観るなよ?」


俺とシャーノはキリカにそう言い、再び歩き始めた


「キリカって不思議だよな」


シャーノの独り言に俺は即座に肯定した


「いっつも寝てていつ起きてるのか分かんないもんな…」


そもそも彼に起きるという概念はあるんだろうか


「シャーノん家ってどの辺だ?」


「この先の十字路真っ直ぐ」


俺は十字路を右に曲がるからそこでコイツとはお別れだな


「俺右なんだ、そこまで一緒だな」


シャーノは小さく「おう」と言った



「じゃあなシャーノ、元気でな」


俺はシャーノの肩をポンと叩き十字路を曲がろうとした、その時


「俺は…」


っ…!


「じゃあなクロウ」


シャーノは行ってしまった。 俺に自身の秘密を打ち明けて


まあ予想はしていた事だったが、いざ聞くと驚きを隠せないな…

俺は再び歩き始めた



「おかえりなさい、大丈夫でしたか?」


家に帰るやいなや母親が俺を迎えた。 久しぶりに会うとそれ程変わっていなくて安心した

…いや、別に会いたくなかった!


「おかえりクロウ」


父親もいた、コイツには体育祭で会ったから懐かしいとは思わなかった


「怪我は無いかい?」


と俺に近づこうとするので避けてやった


「大変だったね、今日はゆっくり休むといいよ」


言われなくてもそうするさ


「明日…」


俺は父親に声をかけた


「明日、お前を倒す。 逃げるなよ」


父親は小さく笑った


「いいよ。でもお前、じゃなくてお父さん…な?」


いいよと言った、だから明日は俺と戦ってくれるだろう


「負けたら何してもらおうかなー」


と父親は言いながら床に消え、影移動した


この戦いはただ倒すという理由だけじゃなく、あのローブの男を倒す為の特訓にも繋がるはずだ


俺は学校を壊したあの男を、両親と同じくらい… いや、それ以上に許さない

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半分天使・半分悪魔の天才魔道士に転生したら強制ルートが組まれていて反抗期が終わらない! 臣畑波 @mina3373

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