44話 臨時休校!
(クロウが気を失い数分後)
「起きた!」
俺は保健室のベッドに横になっていて、傍の椅子にはシャーノとエリーが座っていた
「あの男は!?」
俺は飛び起きた
「飛んでった、それより大丈夫か?」
俺はシャーノから鏡を受け取ると顔は青ざめ、首を絞められた所は青黒くなっている
「他の人達は?」
男に遭遇する前に見た倒れている人達は無事なんだろうか…
「ぜ、全員無事で、体育館に運ばれてます…」
保健室にはサリアもいて、話を聞くところによると避難してきたそうだ
「学校は…どうなったんだ?」
シャーノ、エリー、サリアの3人は分からないと答える。 すると
「伝言ー、しばらく休校だって」
珍しく起きているキリカが保健室に入ってきた、コイツも無事だったみたいだ
それにしても何だその落ち着き具合は!
「レイ先生から手紙配れって、はい」
レイが? 俺はキリカが手渡した手紙を読んだ
「臨時休校のお知らせ
怪我をした生徒は治療後、自宅に戻ること
無傷の生徒は至急帰宅しなさい
再開の目処が着き次第連絡します
悪魔・天使科担当 レイ」
どうやら休校は本当らしい、俺達は帰宅の準備をするために部屋に戻った
「酷いな…」
教室や廊下は爆破されていて見る影もない
つい数時間前までは何とも無かったのに…
「寮は何とも無さそうだな、良かった…」
シャーノはそう言うが、良かったと言って良いんだろうか。 俺はそんな事を考えた
「じゃあ準備が終わったら1度正門前で落ち合おう」
落合う必要は特にないが俺はそう言い、シャーノと自室に入った
「両親に連絡は行ってるのか…?」
シャーノも不安そうだ、まあこんな状況に陥って不安じゃない奴なんてそういないだろう
「流石に行ってると思うぞ」
…まあ俺は連絡なんてしないけどな
でも、流石に無事だとは言っておくか…
「…クロウは親に強制ルートを与えられて、どう思った?」
シャーノの突然の質問に俺はすぐには返答出来なかった
「反抗しようと…思った」
今考えてみると馬鹿みたいだった
「俺、誰かの予言だと天才魔導士になるらしくてさ。 だから天才魔導士になった後、強制ルートをぶっ壊してやろうと思った」
シャーノはまたしても何も言わずに俺の話を聞いてくれた
「でも、両親は本当の両親だったんだ。 何言ってんのか自分でも分かんないけど、本気で俺を心配してくれたり、応援してくれたんだ」
転生前の親が親だったからこんな事を言っているのかもしれない、でも…
「だから俺は本気で天才魔導士になりたいと思ってる。 卵と礎は勘弁だけどな」
少しおどけて見せた、すると
「見た目に反してしっかりしてるんだな、ハーフ君」
シャーノは俺の方を向いて笑った
「お前には言われたくねぇよ」
俺も笑い返してやった
「終わったか?」
俺は家から持ってきたトランクに荷物を詰め終え、そうシャーノに聞いた
「ああ、ちょうどな」
向こうも終わったようなので正門へと向かう
「あっ、遅いよー!」
正門に着くと既に3人が揃っていた。 1人は安定で眠っているが
「よし、帰るか」
俺達は正門を抜け、俺はシャーノとキリカ
エリーはサリアとともに自宅へと向かう
次にコイツらと会えるのはいつになるんだろうか…そんな一抹の不安を抱え、俺達は帰路を進む
「そういやキリカはよくそんなに眠れるよな」
学校の七不思議にしても良いくらいコイツは寝る
「え…? うーん、眠いからね」
まあそんなこったろうとは思ってたさ…
「夜ちゃんと寝てるか?」
シャーノも不思議そうに聞く
「夜…? うん、多分ね」
多分…?
「気づくと朝になってるから、寝てると思う」
変な奴だ…
そんな会話をしながら俺達は自宅へと歩き続ける
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