紙とペンと魔法使いのおばあさん

作者 ハイロック

66

25人が評価しました

★で称える

レビューを書く

★★★ Excellent!!!

最初は緩やかに始まり、中盤で不安を煽られ、予感的中からのラストのオチ!
4000字で見事な起承転結を魅せてくれる作品でした。
作品として面白いだけでなく、短編小説とはかくあるべし! という構成ですので、今回のカクヨム三周年企画で短編ってどう書いたらいいの? と悩んでおられる方も必見です。

★★★ Excellent!!!

 願い事というのは良い面もあれば悪い面もある。自他の希望や意欲をかきたて、建設的な結果に導くこともある。こうあれかしという欲求だけが身の程知らずに肥大化して本人を乗っ取ることもある。
 本作の尋常ならざる素晴らしい点は、予想だにしなかったトリックスターが幾つかの全く異なる展開をもたらすことだろう。ああした展開を暗喩と受けとるか直喩と受けとるかは読者によりけりだが、いずれにせよ意思決定が絵に描いたように理想的な家庭で行われたのは静かで恐ろしい重味をあとから与える。
 本作が、作者が自負する通りの傑作であることになんら異論ない。『最高』が常に1つだけなのかどうかに議論の余地があるにしても。