先輩さんとジャックちゃんwith後輩ちゃん

以星 大悟(旧・咖喱家)

雛祭りした後かく語りき

「灯をつけましょ!」

「ボンバイエー!!」

「ジャック!市松!何顎をしゃくれさせてる!?」


「おや先輩さん、今日もまるで柔道部主将のような体格ですね?今日は本場アイルランド仕様ではなく雛祭りなだけに、何時もの倍以上もポップでキュートな仕様!しかし季節大外れカボチャ頭のジャックです。おはようございます」

「具体的な説明ありがとう、元ジャック・オー・ランタン現ジャクリーンのジャック、お母さんに作ってもらったのか?」

「ええ!すごいですよね!何でもふぃぎゃあ?を作る職人らしくて頼んだら喜んで作ってくれました!」

「そうか良かったな」


「そしてそして!大人気企画も終わってからの苗字判明!え何それ?というか先輩の本名は今も不明で今後も不明!?そんな先輩を今日も憂いつつも苗字の通りオカッパ頭で市松人形のような純和風美少女!え?二十歳越えてんだろ?知るか!女何時までも乙女で17歳の後輩市松香里です。おようさんです」

「お前…誰に向かって話してんだ?俺こっちだぞ、そっちは風除室だぞ」

「分かってないっすね先輩、今月号で最終回の上にジャック美少女転生とか誰得?で終わらされ、気付いたら可愛い後輩でフラグおっ建てまくりだったのに、気付けば外野。それもレフト、ここでシチュエーションラブなんてぶち込まないと連載版着手も夢もまた夢」

「……大丈夫か?有給申請なら俺が出しとくが……」

「その優しさが今は辛い!!」


「まあまあ香里さんこっち来てこっち……実は自分も特に関係性は発展していなんですよ」

「え!?嘘でしょう?どう考えてもラブだったでしょう、後はベッドインファイト一発皆中ハッピーウエディング子供は何人欲しい?でしょ普通は」

「いえ自分まで未成年です、法律で罰せられますよ?あと先輩さんは私の事を妹と思っていて…そこで止まってます」

「ふっユダと思っていたが、ふっライバルか、寝取る手間が省けたぜっ」

「まあ不本意ですがそうなりますね。なのでスーパーで働く先輩に思いを寄せていたら突然現れた世の中の不思議系少女と言うライバルが現れ、鈍感な先輩を振り向かせる為に戦うというシチュエーションなラブが始まったという感じです」

「シッチュエーーーションッッラァアヴ!成程ね…でも手強いわよ。下の名前で呼んでくれるようになるまで二年は掛ったし、その間に何人もの女性から好意を寄せられてほら、隣町の支店長の女狐…信じられないけど女狐っていう苗字の女性社員も好意を寄せてるのよ」

「すごい苗字ですね……」


「お前等、風除室で何やってんだ?邪魔になってるぞ」

「「はーい」」

「んでジャック、お前は学校良いのか?」

「問題無いですよ、今日はお休みなので…あとバイトの面接に来ました」

「何!?ジャック!恐ろしい子……」

「いや、お前が散々っぱら店長に人員増強しろって言ったからジャックが面接しに来たんだぞ?」

「しまったっぁああ!?自分で自分の首を絞めた!」

「ふっ甘いですよ香里さん」

「ジャック恐ろしい子!」


「それと香里、お前もお前で仕事しろ。雛祭りが終わったんだから売れ残りの処理、返品できるのは返品してそれ以外はシールで値引きだ。まあ半額にしとけばだいたいは売れる、毎年売れ残ってるのは早々に半額以下だ」

「いいんですか先輩さん?売上落ちません?」

「期限間近で廃棄にするよりはマシだ、廃棄したらゼロ円。それなら一円でも金にした方がいい」

「成程、それと…ホワイトデー売り場…寂しいですね」

「当然よジャックちゃん、バレンタインファッキンデーは物として送るけどホワイトガッデムデーは物だけじゃなく、外食といった形で返す場合もあるからそこまで大々的にやらないの」

「成程、あと余計な言葉が混じっていた様な……」


「気にすんな…んで雛祭りの方が売り上げがいいからそっちに力を入れる、鮮魚や惣菜とかでも雛祭りフェアーやってただろ?」

「精肉でもしてましたね」

「ホワイトデーが終わったらやっと一息入れられる……」

「お疲れさん、あともうひと踏ん張りだ」

「「……」」

「どうした?」


「ジャックちゃんこっちこっち」

「はいはい」

「美少女二人が目の前にいるのにあの男、まるで反応しないのは何故?」

「体育会系ですよね先輩さん、ならがっつり来そうですが」

「サッカーなら行くわよ、あと野球とバスケ。だけど体育会系だったのは中学までで高校からは文科系…確か……家庭科部だったかな?」

「料理上手出すもんね先輩さん」

「おのれユダめ」

「妬かない妬かない」

「いいわ、当面の問題はどうやって」

「先輩さんを振り向かせるか、ですね?」

「先輩と一発ベットファイ!して既成事実を作るかよ」

「アマゾネス系女子……」

「世の中、やった者勝ちよ。同期の晴美だって酒飲まして朝チュンチュンしてゴールinよ」

「それで愛は育まれるのか……」

「努力次第よ」

「自分、正攻法で行きます」

「小娘がよく言った!ふふふ…どこからでも掛かって来い!」


「お前等、何度も言うが風除室を占拠するな!香里はさっさと雛祭りの処理!ジャックは面接だ、履歴書は持って来たか?」

「うぃーす、そんじゃあパソコン占拠しますね」

「はい、ちゃんと持って来てますよ!あ…でもパソコンで作ったのって減点ですか?」

「いや、問題無い。逆に下手くそな文字を暗号解読のように読まなくていいからそっちの方が助かる」

「それは良かった!」

「おのれユダめ……」

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先輩さんとジャックちゃんwith後輩ちゃん 以星 大悟(旧・咖喱家) @karixiotoko

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