【あとがき――という名の簡単な解説】
はじめましての方ははじめまして、そうではない方はいつもお世話になっております。吹井賢です。
この『あなたのキスはチョコの味』は、なんだったかな……。どうも、カクヨムの情報によるとホワイトデーを記念して書いたらしいのですが、正直なところ、全然覚えていません。今(2023年2月現在)、何故あとがきを書く気になったのかと言うと、そろそろバレンタインデーなので、その記念のようなものです。つまり、深い理由はありません。
朧げな記憶なのですが、確か、「吹井賢はだだ甘な、何ならちょっとえっちな作品だって書けるんですよ!」と主張する為に書き上げた気がします。数時間で書きました。
……いつも勢いで短編書いてるな、コイツ。
一応、メディアワークス文庫から出版していただいている作家・吹井賢は、ミステリ作家ということになるのですが、吹井賢自身としては、「SF以外はなんでも書ける作家」を目指しているので、たまにはこういう作品も書きたくなるわけです。
本編のどーでもいい裏設定を開示しておくと、舞台は兵庫県、神戸大学近郊です。あの辺り、六甲山の山沿いなど、小高い場所に学生用マンションがあったりして、その周辺から見る夜景が割と綺麗なんですよね。
その辺りの設定を踏まえると、後半、バリバリのキャリアウーマンっぽくなっている“彼女”や、定時上がりなのか在宅勤務なのか分かりませんが、生活に余裕がありそうな“僕”の変なリアリティーが伝わると思います。
なお、“僕”にも“彼女”にも、細かな背景は設定していません。普段は殺人事件が起こったり、異能バトルが勃発したりする作品を書いているので、そんな世界にも確かに存在する「ごく普通の人々」を描いたつもりです。些かバカップルな感じもしますけどね。
拘ったのは無論、キスシーンなのですが……。この辺りを解説するのは、流石に野暮ですね。実はセクシーな場面って、普通の小説とは全然違う語彙が必要とされたりするので、その辺りを感じ取っていただければ幸いです。
まあ、作品を買っていただいたり、ファンレターを送っていただいたり、感想を呟いてくださる方が、余程嬉しいのですが。バレンタインやホワイトデーのチョコレート代わりに、どうぞよろしくお願い致します。
この作品が、皆様の一時の楽しみになれば、それが作者にとって最高の喜びです。
それでは、吹井賢でした。
あなたのキスはチョコの味 吹井賢(ふくいけん) @sohe-1010
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