「また会いにきたよ」

第1話 泳 い で 参 っ た ！！！

「ちょっと、この覗き魔変態スケベ！ 何でまた来るのよ？」

「あっ！？ わざとじゃねーし！ 別に俺だって来たくて来てんじゃねーよ」

「じゃあ。無理して来なきゃいいぢゃん」

「ば～か。下を見てみろよ」

「下？ あちゃぁ。相変わらず勝手に押し付けて。もうっ ほんっっっと！ 嫌になる」

「な！ あいつら自分たちの事だけで俺らの事は何も考えてねーよ」

「ふ 服 」

「あ？」

「ふ～く！ 服が濡れてるぢゃん。乾かすから脱ぎなさいよ」

「お おう。水かさが増してたからな」

「そこまでしてホント来なきゃいいぢゃん」

「だから下のやつらの為に」

「ほんとは？」

「下のやつらも楽しみにしてるから」

「で ほんとは？」

「お前に……」

「え？ 聞こえ～ない」

「嘘つけ！ 聞こえててわざと言ってるだろ」

「聞こえな～い。もう一回言って」

「牛追牽牛夏彦星（ウシオイケンギュウナウヒコボシ） 一目惚れした麗しい織姫にまた会いたくて、天の川をアルタイルより 泳　　い　　で　　参　　った　！！！…………」

「ふむ。良きかな。良きかな。下々の者にも伝え参ろうぞ」

「なんだこれ？ わざわざ言わなくていーよ。めんどくせー それより代わりの服を寄越せ。どうせ織ってんだろ？」

「みんな～ 今年も彦星は超絶可愛い織姫ちゃんに、また会いに来たよ～ 」

「俺を無視するな！ そして大声だすな！ 恥ずかしい！！ は はっくしょん！ 早く服～」