聞け! カクヨムの澱みの声

新巻へもん

あなたが小説を書く理由は?

「え? 嘘でしょ?」


 急いで帰宅してPCを立ち上げてカクヨムにログイン。KAC2のタグで検索をかけたら該当小説がもう3桁もある……。12時にお題発表してまだ7時間なのに。暇人多すぎ。


 KAC1に参加した。数百の作品に埋もれてしまう自作を見て、私は思った。固定ファンもいない、知名度もない自分が浮かび上がるには先手必勝。とりあえず早く投稿するしかないと。


 お題は「2番目」かあ。どうしよう。あらすじを考えてPCに向かった時点で既に作戦は破綻。投稿前に投降します。てなわけにもいかないから、とりあえず投稿しました。で、人気順を見て絶望。もう☆30超えてる作品がある……。


 KAC1のときに人気順に作品を読みました。やっぱり敵わない、って純粋に兜を脱ぐ相手もいます。はあ、やっぱり自分には才能ない。無くはないと思いたいけど、少なくともこの勝負は負け。まあこれはいいです。消化できましたから。


 で、どす黒い感情が巻き起こるのが、自分には面白いと思えない作品がランクインしている場合。ま、結果が全てです。どれだけ負け犬の遠吠えをしようが、あちらは人気作家様。その地位を得るために今まで努力を重ねてきたものがある。それは頭では分かってるはずなんですけどね。


 今までもコンテストに応募して箸にも棒にもかからない。PVも伸びなきゃ、☆もつかない。私はなにやってんだろって気持ちにもなります。


 何でだろう。自分では面白いと思うんだけどな。あれかな? 自分の声が良い声に聞こえるのと同じように脳内でエコーがかかって補正がかかってるだけなの?


 さらに救いが無いのがせっかく評価を頂いたのに、それが自分が熱意とエネルギーを注いだ作品じゃなくて、割と勢いに任せて書いたものの方がいい評価だったりして頭を抱えること。本当に失礼ですよね。努力が評価をされるのは小学校まで。はあ、中学からやり直した方がいいかもしれません。


 そこに追い打ちをかけるように、『誰にでも文章は書けるが、誰にでも小説が書けるわけではない』という一文を見ちゃったりするから血反吐倍増。もうね、PCの前は真っ赤ですよ。


 じゃあ、なんでお前はカクヨムにいて、嘆きながら今も駄文書いてんだよ、って話なんですが、皆さんはどうですか? 正直、私にも分かりません。


 ダークサイドに堕ちかけた負の感情をここまで書きなぐってきました。すいません。この部分までお付き合いいただいた奇特な方に幸ありますように。


 そうそう。小説を書き始めて一つだけ得たものがありました。それは、何かを創る人への心の底からの共感です。クリエーターって言葉の響きが軽薄な感じがして好きじゃないので、あえて何かを創る人と言いました。さっき人気作家さんへの嫉妬をむき出しにしておいて言うのもなんですけどね。


 伊坂幸太郎さんの作品に「フィッシュストーリー」という作品があります。その中に売れないバンドが出てくるのですが、初見ではその部分はなんとも思いませんでした。でも、小説を書きはじめて再読したら、涙が止まらなくなりました。いい作品なのにな。やはり、同じ境遇に置かれないと真に理解はできないのかもしれません。そういう経験ができたことはいい経験だったと思います。


 どうか自分の作品が誰かに届きますように。


 ***


 この話のどこに「2番目」があるのか?

 私がKAC2のタグをつけた2作目ということです。

 

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