☆72個記念回・☆72個記念小説『灰色狼のアルペジオ』・☆72個記念『ユーリ・トヨタ』はガチ 豪華3本立てでお送りします

『灰色狼のアルペジオ』――第30話 喫茶店


 時間は土曜のお昼前。混んでいるかもと思いつつ入った店内はそれほどでもなく、空席は奥の方に三つ、手前に一つあった。わたしと清水くんは奥の方へと案内された。


「じゃあボクはアルペジオスパゲッティで」


 清水くんが店員さんに告げたメニューを聞いて、わたしの心はアルペジオスパゲティに揺れる。さっきまではサンドイッチとスパゲティが五分五分だったけれど、一気にアルペジオスパゲティに傾いてしまったのだ。アルペジオスパゲティてなんなんだろうと好奇心が湧く。いぜん、この店にきたときにはこんなメニューはなかった。ザ・昭和という島根の喫茶店。アルペジオだなんて単語がでてくるような店は島根には無いし、そもそも島根にアルペジオは無い。


そうこうしているうちに、メニューが運ばれてきた。すると清水君がすっくと立ち上がって大声で叫んだ。


「アァアアアアアアアアルルペーーーージオ!!」


それを合図にしたかのように、他のお客さんや、店員さんまで、わたし意外の全員が直立不動になって叫ぶ。


「「「アァアアアアアアアアルルペーーーージオ!!」」」


あっけにとられたわたしは、様子をうかがうしかできない。


どこからか軽快な楽曲が店内にかかり、その曲に合わせて清水君が踊り出した。

すこしタイミングをずらして、他の人も踊る。


曲はすすむ、その間もキッチリ仕上げてきた感がするダンスが続く。


外からも扉を開けて続々と店内に入ってきた。どんどん人数がふえていく。スーツの人、買い物途中のおばさん、下校途中の小学生。てんでバラバラの人たちが加わって、みんなで軽快な楽曲に合わせて踊り出す。


知ってる。

これはたしか……フラッシュモブというやつだ。



見損なったよ清水君……。



そんなことをする人にはみえなかったのに。わたしは素朴な清水君が好きだったのに……。こうなってくると、わたしが酔い潰れてしまった夜、身体になにをされたかわかったもんじゃない。島根まできてくれたことはうれしいけど。


おそらく、この後にわたしは告白される。


楽曲がおわったタイミングで仕込みダンサーのひとたちが左右に分かれ、片膝をついて手をヒラッヒラさせて清水君を称えるような仕草をする筈だ。その中を歩いてくる清水君の顔が容易に想像できる。きっと、ドヤ顔だ。


ドヤ顔なんだ!!


……いたたまれない。


ひとまずわたしは告白を受けようとおもう。と、いうか。告白を受ける以外の選択肢は無いじゃないか。これはある種の脅迫だ。断る選択肢なんて最初から与えられていない。だからこの場では告白は受けておいて、数ヶ月ぐらい寝かした後になんらかの理由をつけて別れるしかない。WINEなんか既読スルーだ。


あ、でもでも……もしかして。この様子を動画で録画なんてしてないだろうか?

そのうえ、WouTubeとかにアップしちゃったりしないだろうか? それだけが心配。


それだけはやめてよね清水君……。

そんなことをされたら、わたしはもう二度と島根に帰れないよ! ここは島根なんだよ? 代官山でも表参道でも自由が丘でもない。ここは島根なんだ! 島根の中心なんだ! そんなことを考えると、目の前が真っ暗になった。まさかとは思うけど……清水君はフラッシュモブを仕込むような人間だ。ほんとうに何をするかわからない。フラッシュモブをするぐらいの人間ならWouTubeに動画をアップするぐらい朝飯前だろう。フラッシュモブェ……。



曲が終わった。




――『灰色狼のアルペジオ』――(完)




気になる1話から29話は、こちらを読んでね。

https://kakuyomu.jp/works/1177354054889139542




 ☆




そういうわけで、みなさまこんにちは!


きょうは天気がいいね、よかったね! 

みましたか奥さん。奥さんじゃない人も、男性も。いやいや、性差なんてどうでもいいジェンダーレスだかフリーの方々もみましたか?


当クソエッセイ『コンテスト中間発表で7個全滅したからついカッとなって始めたカクヨムエッセイモドキ』☆72個ですよ72個。


カクヨムコンテストで7個出して、中間発表で7個全滅したから、カッとなってはじめたクソエッセイが☆72個ですよ。人生なにがあるかわからない!

人生はマラソンだ。でも、ゴールが一つだなんて誰が決めた。すすむコースも人それぞれなんだ!(微パク)


モニターの前の打ちひしがれた君もあきらめんな!

モニターの電源をおとすと、打ちひしがれた人が写ってるゥウウ――



……なんだ。ボクか。



最後に、☆72個を記念して、一方通行コラボ。

ここでユーリ・トヨタさんの作品


『春色のアルペジオ』を、紹介するぜ。

ぜんぜんまったく他意はないぜ。本人に無許可とか未承諾とかなにそれ。


https://kakuyomu.jp/works/1177354054889139542


爽やかで、とっても面白い小説だ。

ぜひぜひ読んでみて。ぜったい損はさせないから。


とっかかりのフックが弱いのはきっと作者のユーリさんは百も承知。でも、己のこころに忠実に綴った姿勢はまさに武士。おもわず一気読みしちゃったよ。

はあ……ええのう。ええですのう。こういう奇をてらわない作品が書けるひとってスゴイ! ユーリ・トヨタはガチ。


……ゆめゆめ、わすれるなかれ(スーッと消えるガラナ




※お読みにいただいた方に感謝を!


『カクヨムエッセイモドキ』は、皆様のご声援を原資として更新していきます。北乃ガラナのいろんな面白いを詰めていきますので、ぜひぜひフォロー&応援コメント☆やレビューなど、よろしくお願いします! レビューの練習がてら「よっしゃ」とか「うむ」とかいう一言レビュー


https://kakuyomu.jp/works/1177354054888780638/reviews/1177354054889374124


でもイイ! もちろん、手の込んだ、


https://kakuyomu.jp/works/1177354054888780638/reviews/1177354054889593717


こんな、楽しネタレビューも大歓迎。


もちろん。レビューなんて大それたことを申しませぬ。お気軽に☆1個からでも受け付けております「あれ……カクヨムではどうやったら☆ってはいるのかな? ポチッ」という、練習☆入れるのにいいんじゃなかろうか?

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