問わず語りの備忘録【１】

96）ゆるっと他薦 その33（カクヨムコン５応援特集/短編）

　いつのまにか、ずいぶんたまっていましたカクコン５に参加中の短編。というか、少々たまりすぎてしまったので、いったん放出いたします。これでもピックアップなんですが、18作あるので今回はちょっと長め。

　―順不同―

【ゆうすけさん作】

☆一夜のキリトリセン　～夜空に汽笛の響く時（現代ファンタジー/草刈り）

　現代ファンタジーで草刈りってなんだよって感じですが（笑）読めばわかります。たった一夜にだけあらわれる『キリトリセン』に、重なる心があたたかい。旧作なので埋もれがちですが、とても素敵なお話です。未読の方はぜひ。

（全４話/約9,300文字）

https://kakuyomu.jp/works/1177354054890947115

【PURINさん作】

☆夜のフクロウ 朝のニワトリ（詩・童話・その他/日常）

　夜を司るフクロウと朝を司るニワトリ。なにげない日常を守っている２羽の、切なくあたたかい物語。約2,000文字で、深い余韻を残してくれます。こちらも旧作です。この機会にぜひ読んでみてー。

（全１話/約2,000文字）

https://kakuyomu.jp/works/1177354054883847296

【蜜柑桜さん作】

☆魔法の隠し味はいつも君が（恋愛/幼なじみ）

　音楽とお菓子のコラボ、匠響子シリーズ第4弾。シリーズものですが、もちろんこちらだけでも大丈夫。ふたりがプロとして自立する少しまえのお話です。なにかを創り、表現する人間なら誰もが一度は考えたことがあるだろうテーマを描きつつ、それでもやっぱり最後は甘いふたりの物語。

（全６話/約7,900文字）

https://kakuyomu.jp/works/1177354054892910261

【宇部松清さん作】

☆夫婦そろってトラックに轢かれたけど、俺の愛妻が見当たらない（異世界ファンタジー/夫婦）

　お役所仕事感満載な手続きの末『勇者』に転生した主人公。だがしかし。一緒に轢かれたはずの妻がいない！　というわけで（？）美女も魔王もそっちのけで、主人公はひたすら奥さんを探して異世界を旅します。クスッとほっこり、ちょっぴり切ない異世界ファンタジー。え？　異世界転生？　なにそれおいしいの？　というレベルのわたしでも楽しく読めました。

（全６話/10,000文字）

https://kakuyomu.jp/works/1177354054891871337

【双葉要輔さん作】

☆君とLINKする午前０時（現代ドラマ/トークアプリ）

　午前0時から1時間だけ、知らない誰かとつながるというトークアプリのプロジェクト候補者に選ばれた主人公。毎晩つながる『誰か』は皆それぞれに悩みを抱えている模様。やがてたどりつくアプリの真実。切なくもやさしい余韻が心にしみる、とてもあたたかな透明感に包まれたお話です。

（全10話/約10,000文字）

https://kakuyomu.jp/works/1177354054892698037

【達見ゆうさん作】

☆なんとなくブラジル（現代ファンタジー/日本神話）

　夫から届いたおかしなメッセージ。家に帰ると鏡から闇が溢れていた。現実を認めない現実主義の主人公がいろんな意味ですごい。頭をからっぽにして笑えます。

（全３話/約7,500文字）

https://kakuyomu.jp/works/1177354054892776817

☆スシババア（現代ドラマ/寿司）

　はい。スシババアです、スシババア。もうね、うん、スシババアとしかいいようがありません（笑）スシババアがヤクザから逃走しています。どうぞスカッとキレのいい、元気なスシババアの逃走劇をご覧ください。

（全４話/約9,000文字）

https://kakuyomu.jp/works/1177354054891740824

【盛田雄介さん作】

☆サイドステップストーリー（SF/文化祭）

　人とすれちがうとき、何度もおなじ方向によけてしまう。誰でも一度は経験があると思います。こちらは、奇跡のようなそれを見せる二人のお話。笑いと不思議と切なさが絶妙にからみあう青春SFストーリーです。コミカルな場面の裏に隠された切ない真実。読後感も独特でした。

（全３話/約10,000文字）

https://kakuyomu.jp/works/1177354054892446237

【一矢射的さん作】

☆バトルトーナメントの司会が仕事熱心すぎる件（異世界ファンタジー/コロシアム）

　この闘技場では、人気が試合結果に反映されるらしい。その鍵を握っているのは仕事熱心な名物司会者……？　腕におぼえがあっても、出場するにはちがう勇気が必要かもしれない闘技場。タイトルにあるとおり、熱心すぎる司会者がいろんな意味ですごいです。

（全４話/約10,000文字）

https://kakuyomu.jp/works/1177354054893128180

【木沢俊二さん作】

☆トイレの上から誰かが覗いている（ホラー/トイレ）

　世にも奇妙な物語ならぬ、世にも木沢な物語・クリスマスSP。３夜連続ショートショートの２作目。会社のトイレでさぼる主人公。ふと見上げたドアと天井のあいだから、ひとつの顔が――。なんともいえない、いやぁーな気持ちが残るショートホラーです。とてもホラーです。

（全１話/約3,800文字）

https://kakuyomu.jp/works/1177354054892531345

【水凪らせんさん作】

☆雪女はその恋に命をかける（恋愛/あやかし）

　令和に生きる雪女の恋愛事情。時代と共に、妖怪の掟も変わっていく。けれど、雪女の恋はやっぱり命がけ。笑えてキュンとする。主人公カップルのかけあいがコミカルで、とても楽しい現代版雪女のお話です。

（全１話/約5,000文字）

https://kakuyomu.jp/works/1177354054891860547

【マスケッターさん作】

☆ダンジョンピック　～脱出風穴請負職人～（異世界ファンタジー/ドワーフ）

　ダンジョンで脱出用の風穴を開ける仕事をしているドワーフの主人公ブラハムは、元冒険者。ブラハムの過去と家族。切なくかっこいいハードボイルドなファンタジー短編。読みごたえあります。

（全15話/約10,000文字）

https://kakuyomu.jp/works/1177354054892779195

【無月兄さん作】

☆彼女が大型免許をとる理由（異世界ファンタジー/駄女神）

　さて。異世界転生といえば、なにを思い浮かべるでしょうか。うん。もうおわかりかと思います。タイトルとジャンルがじつに的確に内容を語っております。それでも意表をつかれるセンスとキレがお見事な掌編です。

（全１話/約1,600文字）

https://kakuyomu.jp/works/1177354054891715185

☆彼女にサンタコスをお願いしてみた（ラブコメ/遠距離恋愛）

　こちらもまた、タイトルがすべてを語ってます（笑）が、しかし。ひとひねり、いや、ふたひねり（？）していて、すっごい楽しいです。サプライズてんこ盛り。

（全１話/約2,800文字）

https://kakuyomu.jp/works/1177354054892711370

【無月弟さん作】

☆賞はとれなくても（現代ドラマ/小説）

　趣味でWeb小説を書いている女子高生。投稿サイトから、とあるコンテストに応募してみたのだけど――。カクコン真っ只中の今、非常にタイムリーなお話。コンテストに応募したことがある人なら、きっと共感できるところがあるはず。

（全１話/約4,000文字）

https://kakuyomu.jp/works/1177354054890478800

【詩一＠シーチさん作】

☆本とみみたぶ、あとラブソング（恋愛/読書）

　本が読めない少女が恋したのは、読書好きの少年。美しく豊かな語彙と、等身大のアオハル感。すごくきれいで、すこし不思議な読み心地の物語。繊細で瑞々しく、読後感もとてもさわやかでした。

（全２話/約3,300文字）

https://kakuyomu.jp/works/1177354054892705618

【機人レンジさん作】

☆おかえり、愛しい人（SF/クローン）

　父親に婚約者を殺された主人公。凶行の末自殺した父親の遺書から、その動機が明らかになっていくのだが――。生命と科学者たちの暴走。ラストまで読んだとき、あらためてタイトルを見て鳥肌が立ちました。テーマはありがちかもしれませんが、わずか9千字とは思えない、重厚なSFストーリーです。

（全１話/約9,000文字）

https://kakuyomu.jp/works/1177354054893077185

【夏野けいさん作】

☆花と頭蓋（現代ファンタジー/創作）

　小説に限らず、なにかを創り、表現するというのはこういうことなのだろうと、理屈ではないところで納得させられます。まずは本編を読んでほしい。なんかね、これはレビューであれこれ書きたくない。というか、書けば書くほど本編を壊してしまいそうな気がします。物書きの業と言葉の凄み。ラストの余韻が深く胸に届きます。

（全１話/約9,000文字）

https://kakuyomu.jp/works/1177354054891335251

　ちなみに、わたしの長編『今日捨て』は下書き94,000文字まできました。あとちょっと……！