この作品はホラーである。読めばわかるけれど、完全にホラーである。なのに。元気がもらえた。何故だろうか?きっと、カクヨムで創作している誰しもが、二番目の自分がいるからだろう。そして私にも、二番目の私が、いるからだろう。……待って。今の自分が一番目……本当にそうか?……。……。やっぱりこの作品はホラーだった……
小説を書く人なら、必ずぶつかる問題に、そっと寄り添って、励ましてくれるような小説です。
どういう着想なのか、ドッペルゲンガーでないのか、作中に書かれてはいるんだけれど、物語を辿るうちに見えてくる。僕は小説家。趣味で書いた作品が、大売れに売れた超大型新人。けど、二作目がガタガタで。名前も売れたし下手なものは二度と書けない――プレッシャー。二番目の僕はそんなもの、くだらないという。二番目に甘んじているくらいならば、よほど恵まれているんだと。二番目の悔しさがわかるかと。僕はそれをエネルギーに変える。二番目の僕が抱える、僕の中にもあったはずのものを。