写真部の先輩に想いを寄せる主人公の僕。春休みに、先輩を呼び出して桜の下の先輩を撮影する。新入生勧誘のためのポスターを作るため……、というのは主人公の思いついた理由だった。本当は、ファインダー越しの先輩を、もっと写真に収めたかった。 出来るなら、ファインダー越しではなく、素のままの先輩に見とれていたかった。しかし、そんなことは叶うことはなく――。 桜の描写が神がかりなほど美しい作品。 まるで、主人公の瞳を借りて、その写真を見ているような感覚になる。 視覚に訴える一作でした。 是非、御一読下さい。
美しく鮮やかな感じです!(*´∀`)桜と先輩がきれいっ
カメラといえばデジタルが当たり前な時代になった。小中学生でも手持ちのスマホで気軽に全世界レベルで画像を交換できる。一方で、暗室だの銀塩だのといった言葉を知る人々は少なくなった。 本作の主人公は、そんなアナログ式カメラを少し思い出させる。桜が葉桜になるように、時代は次々移り変わる。しかし、変わりにくいものもある。写真家の何割がアナログ式にこだわるかは不明瞭ながら、主人公もまた、恋にも写真にも不器用で融通の効かない……それでいてデジタルには存在し得ない味わいを出す……アナログにこだわりそうだ。