Nahkampf
無事?目的地に到着した一行。
しかし、出迎えたのは、PPPではなく不穏な雰囲気に包まれたライブステージだった。
ロンメルの提案により、二手に別れPPPを探すことになる。
彼らは無事、PPPを見つけ出すことは出来るのだろうか…?
大丈夫、クリスマスには(このお話が)投稿されてるさ
きっと
今回でみずべちほー終わる予定だったんですが終わりませんでしたね……
今回は気持ち短めです
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みずべちほーに位置する大きなライブステージ。
舞台裏の一室で、わたしはケープペンギンの頭を撫でる
彼女は、気持ち良さそうに目を細め、うっとりとした表情を私に見せる。
何故、こうなってしまったのか。
わたしは一体何をしているのだろうか…
先程から、同じ疑問を繰り返す。
しかし、その度に考えるだけ無駄だという結論に至る
そうして、数分が経過しただろうか。
「そろそろ捜索を再開するぞ。」
さすがにそろそろ切り上げないとマズイ。
その考えから、彼女から手を引く。
「えぇー……!?」
しかし、ケープペンギンは、それを不服とばかりに声をあげた。
「人探しをしてるんだ、時間をあまり消費するのは良くはないだろう?」
これが理由の1つである。
人を探しているのに、こういったことに時間を割くのは本来よいことではない。
まぁ、承諾してしまったわたしにも非はあるが…
「それは。そうだけど…」
ケープペンギンが考え込む素振りを見せる
少し、考え込んだ後、
彼女は、「じゃあ…─ と一呼吸おいてから──あとでもう一回。お願いしたいな~って……」
そう、言った。
「もう一回…か?」
「駄目……?」
目を潤ませて、懇願するその姿に、一瞬ドキリとしてしまう。
わかっていて、やっているのだろうか?
「わかった。わかったから、後でだ。取り敢えず案件を早く済ませるぞ。」
そう言って、逃げるように部屋を後にする
ケープペンギンが遅れて部屋をでる。
その表情は少し楽しげであった…
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廊下の一番奥の扉。
両開きの大きな扉の目の前に立つ。
舞台裏の部屋は粗方探し、残るはこの扉の向こう側、船着き場だけである。
ケープペンギンが言うには、その港の更に奥にレッスン場があり、いつもはそこで練習していることが多いそうだ。
ここにいなければ、あとはアライグマ達が見付けてくれていることを祈る他無い。
「行くぞ…」
ケープペンギンに合図をして、ゆっくりとドアノブを捻る。
地図通り、小さな船着き場が目の前には広がっていた。
積み上げられた大きな木箱や、船を繋ぐ鎖、非常用だろうか浮き輪が掛けられた柱も見かけられる。
当然、どれも長いこと使用されていないのだろうことが、容易にわかる。
そして、その先の桟橋に白い建物、レッスン場も目視する。こちらは地図には載っていなかったため、半信半疑ではあったが、どうやら本当だったようだ。
そして、そのレッスン場の前を動く影を視認した……
その数、5つ。
あの影がPPPのメンバーなのだろうか…?
メンバーはケープペンギンと同じ、ペンギンのフレンズだと聞いていたのだが。
どうにも、様子がおかしい。
ペンギンというには、ケープペンギンのように白黒でなく、黒一色。
いや
黒というよりか、むしろあのよく見慣れた
我が軍のシンボルカラーとでも言うべきあの色に。
そして、容姿が随分と厳つく感じられた……
まるで、男のように肩幅も広い。
加えて、手に何か鈍器のようなを持っているのも見える。少し距離があるため、何かまではわからないが…
嫌な予感が頭の中を駆け巡る。
「ねぇ、あれ……」
ケープペンギンも黒い影に気付いた。
「あれ、ふるるた───
ケープペンギンが何か言いかけた、その時
やつらの一体がこちらに顔を向ける。
「……!」
そして手に持った何かを、我々に向けて構えた。
─こいつはまずい
ケープペンギンの肩を掴む。
「え?」
そして乱暴ではあるが自分に抱き寄せる。
急いで木箱の裏に隠れる。
傍を弾丸が通過して行く。
やはり……
影が構えたのは銃だった。
そして、隠れる際にチラリと見えたその一つ目。
また
呆れを通り越して逆に感動してしまいそうだ。
何となく予想は出来ていたが
まさか、こんなに出会うことになろうとは……
そんなことを考えている間にもセルリアンは銃火を弱めることなく撃ちまくってくる。
弾薬の消費などお構い無しとでも言っているようだ。
少しでも木箱から体をはみ出そうものなら、蜂の巣にされてしまいそうだ…
そう思ってしまうほどの濃密な弾幕が木箱を襲う。
頭上からパラパラと木箱の破片が降り注ぐ。
「ロンメルさん……」
ケープペンギンが不安そうな様子でわたしを見上げている。わたしの腕の中で、小動物のように震え、今にも泣き出しそうな目で見つめてくる。
「心配するな。」
途切れることのない銃弾の嵐が、我々のいる木箱の周囲に吹き荒ぶ。
「相手は高々五人。これくらいの人数なら問題ない」
ケープペンギンを安心させるため、ゆっくりと語りかける。
ここでパニックを起こすような事があってはならない。
ゆっくりと語りかけながら機会を待つ。
先ほどから、銃火が途切れるのをまっているが、全く途切れない
弾を込めた者が交互に撃っているのだろう。
状況は最悪。
5対2で、相手の絶対的有利。
見えはしないが、セルリアンは、掃討戦に移った兵士のように、此方にじわじわと近寄ってきているに違いないだろう。
「…こわくないの?」
不意に尋ねられる。
「なに、戦場は慣れている。むざむざ死にはしないさ。」
不安そうな様子の彼女に微笑んで余裕ぶってみせる。
その時、物音と共に視界の隅に黒い塊が転がり込んでくる。それは戦場でよく見かけた馴染みのあるパイナップル型をしていた。
「
瞬時にそう叫び、船着き場の奥、湖へと蹴り飛ばす
直後、轟音と大きな水柱が舞い上がる。
舞い上げられた水が雨のように降り注ぐ。
今日はついてないな……!
そんなことを思いつつも、こちらも反撃のために、ポーチからブツを取り出す。
お馴染みの、
やはり、やられっぱなしは性に合わないからな…
木箱という狭い隠れ場所のため、安全キャップを外すのに少々手間取ったものの、紐を引き、木箱の後ろ側に放り投げる
「ーーーー!!」
一瞬、セルリアンのだろうか
悲鳴のような声が聴こえたような気がした
直後、投げ込んだ手榴弾が爆発する
乾いた破裂音と爆風の後、地面が少しばかり振動するのが感じられる
「絶対にここを動くなよ!」
ケープペンギンにそう指示をだし、MP40を構える。
「死なないでね……?」
立ち上がろうとしたとき、ケープペンギンは大きな目に涙を溜めて、そう言った。
「Ja ,
ポンと頭に手を載せ、そう返した。
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セルリアン達は手榴弾での反撃など予想もしていなかったのだろう。
1体は爆発をまともに喰らったのか、光のブロックとなり四散。
残りの4体も爆風と破片で混乱に陥っており、銃をこちらに構えている者はいない。
もちろん、この好機を逃しはしない。
手にしたMP40の引き金を、思いっきり引く。
銃口から9mmパラベラム弾が吐き出される。
MP40が使用する弾の威力は、もちろん、狙撃が可能な小銃や
弾が当たるかは関係ない。
軽く狙いを定めた後、
手当たり次第に弾をばら蒔いていく。
セルリアンの周囲に無数の土埃が舞う、木片が弾け、壁には弾痕を穿つ。
立て続けにセルリアンが2体、弾丸を体に受け、光のブロックとなって消えていく。
排出された空薬莢が宙を舞う。
落ちた空薬莢がコンコンと付近に音をたてる。
あっという間にマガジンが空になってしまう。
それを抜き、新しいものと交換する。
しかし、セルリアンもやられっぱなしではない。
マガジンを交換している間に、残った2体が体勢を立て直し再び銃撃を加えてくる。
激しい銃撃戦へと発展する。
セルリアン側は突撃銃のようなもので、猛烈に射撃を加えてくる。
負けじとこちらも撃ち返す。
無数の弾が飛び交い、敵を倒さんと飛んでいく。
硝煙で視界が朧気となる。
しかし、敵弾も飛んでくる。
先に怯んだら負けであった。
敵の弾が自身の顔の近くを通過し、ピリピリとした空気が頬に伝わる。
少し離れるとヒューンと尾を曳いたような音に変わった。
しかし、自分が撃ちまくっている以上、恐怖心は全く感じない。自分が圧倒的強者になったような感じがするからだ。だから、至近弾も他人事のように感じられる。
しかし、弾が切れ、マガジンを変えるその瞬間だけは別である。
──弾が命中するんじゃないか…?
と思ってしまう。
だからこそ、頭を低く下げて、素早くその動作を終えてしまう。
『砂漠の狐』と呼ばれ畏怖され、英雄として祭り上げられようとも、結局、わたしは人だ。当たり前だが、恐怖心というものも人相応に持ち合わせている。
弾が当たるのは相手か自分か。
沢山の弾が飛び交うが、なかなかどうして、弾が当たりそうにはない。
まるで映画や小説のワンシーンのように撃ち合いが続く。
だが、先に弾が当たったのはセルリアンだった。
木に隠れていた一体が体勢を崩す。
足に当たったのか、樹木という絶好の隠れ場から体がはみでてしまう。
もちろん、それを見逃す気はない。
集中的に射撃を加えていく。
周囲に数個の土煙が舞った後、そのセルリアンに弾が命中する。
1発、2発、3発……
4発目が吸い込まれるように人でいう心臓部に当たる。
直後、光のブロックとなって四散する
なるほど、人と弱点は同じ位置にあるのだろう。
銃器を扱ってくるという点で厄介なセルリアンではあるが、やはり人を模しているだけあって、急所も一緒なのだろう。
対人戦と変わらないと言うわけだ。
弾が切れたマガジンを交換し、立ち上がる。
いや、立ち上がろうとしたというのが正しいだろうか
直後、頭を強く後ろに引かれるような感覚が体を襲う
─やられた……!
物凄い衝撃が伝わってくる。
衝撃にながされ、地面に倒れこむ。
「ロンメルさん!!」
朧気な意識の中、ケープペンギンが大きな声で
いつまでたっても血が顔を流れることはない。
そして、意識も失ってはいない。
私の目の前にヘルメットが転がっていた
気がつけば、頭に被っていた筈のヘルメットが無かった。どうやら、そういうことらしい。
「……」
ケープペンギンに片手をあげ無事だと合図する。
運が良いことに、敵弾はヘルメットに当たったらしい
しかも、ちょうど頭頂部近くを…だ。
灰緑色の塗装が少し、剥げている部分が出来ていた。
真正面から喰らっていたら貫通していただろう。
偶然被っていたヘルメットだが自分の気まぐれに感謝する。
多少はふらつくものの、気合いで起き上がり再びセルリアンと銃撃戦を展開する。
一対一。
気を抜くことはできない。
少し撃ち合った後、セルリアンが痺れを切らしたのか、手榴弾を投げ込もうとする。
だがそこに偶然を伴った銃弾が一発、セルリアンの手に当たった。
手榴弾がセルリアンの足元に転がり落ちる。
慌てて手榴弾を拾い、投げようと手を高くしたところで爆発が起こる。
上半身が吹き飛ばされ、下半身だけのとなったセルリアンが、一歩二歩と足を動かした後、その場に崩れ落ちる。
一呼吸遅れて、光のブロックとなって四散した。
呆気ないと言うべきか。
なんとも後味の悪い……
戦いに勝ちはしたものの、なんとも言えない虚しい気持ちが込み上げてくる。
「まぁ何はともあれ、とりあえずは終わった……のか。」
MP40の構えを解き、立ち上がる。
しかし、一歩もその場を動く気にはなれなかった。
もちろん、目的を忘れたわけではないが……。
そのとき、体に強い衝撃を受ける。
視線を下げる。
見ると、ケープペンギンが自分に抱きついていた。
そして更に彼女は泣いていた。
そう、泣いていたのだ……
目から大粒の涙を溢していた。
そう、泣いていたのだ。
「お、おい、大丈夫か…!?」
まさか泣いているとは思わず、面食らってしまう
「……ろんめるさんが……倒れたとき……死んじゃうかも……って」
泣きながら彼女は言葉を吐き出す。
まさか、そこまで心配されていたとは
参ったな……
彼女の小さな背中をゆっくりと擦ってやる。
泣き止むまでこのままにしておくか……
体を震わせ、泣く彼女と、抱き付かれている自分
端から見たらとんだ勘違いを受けそうな状況だが……
この状況をルーが見たらどう思うだろうか?
ふとそんな考えが頭を過る
焼き餅を焼くのだろうか?
それとも、怒るだろうか?
いや、この話は止めておこう。
もう彼女に会うことは出来ないのだから……
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『Nahkampf(戦闘)』end
クリスマスには間に合わなかったよ……
年越しには間に合ったからセーフということで(残り一時間)
どうでもいい戦闘シーンが貴方の時間を奪う!!
セルリアンくん、ここで出たら暫くご登場しない予定だから……
多少はね
メインヒロイン、ケープペンギンで良いんじゃないだろうか……
フェネックの影が薄いなぁ()
アライさん?ちょっと何を言っているのかわからないですね、はい
いや~、忘れちゃいないけど、ロンメルって既婚者何ですよね(え?)
『最愛のルー』から始まる妻への手紙は有名で(以下省略)
まぁ、当時の将校には珍しい中産流階級出身だけに女癖は悪かったそうですが()
とはいえ、勝手にヒロイン割り当てるの、結構マズイ気がしてますね~
普通に、淡々とそういった事(絡み)を無くした物語でも良かったんですが、そうするとまったくもって無印アニメと変わらない描写を延々と送ることに……
今からでも、オリ主で同姓同名ということに……
いや、一番とても良いフレーズがありましたね
このときにピッタリな
※本作品に登場する人物、組織や施設は全て架空の人物、組織であり、実在の人物、組織、団体とは一切関係ありません
これでよし
今更感ありますが、これでよし
容易にキャラ増やしたら駄目ですね
予定通りではありますが、思い通りにはいきませんね
やっぱり難しい……
次もなるべく早く出したいですね
次回『PPP』
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