Ruhigen Bühne

迫り来る黒セルリアンを撃破したロンメル達一行。

彼らは、目的地ライブステージへと到着した……


お久しぶりです(失踪?いえいえ逃亡です。)

相変わらず更新までの間の期間が長いですが、わたしは元気です。

今回はPPPがいるはずのみずべちほーのステージ回!!けもフレのライブステージがどんな島なのかアニメ見返したりしてたんですが、前回のお話で島までの道を木の橋(パビリオン準拠)でやっていたらアニメの方と全く違った件……

アニメだとThe 道路って感じだったよ。


うろ覚えだったから、どうやらパビリオンと混ざってたようで、想定していたステージまでの橋とは全く違ったんですよねこれが。

前回のお話が成り立たないんだけどどうしよ…(カバ)


と、とりあえず。この物語のみずべちほーはパビリオンとアニメ(と少しオリジナル)のミックスです(ヤケクソ)


そして、先にひとつあやまっておきます。

ケープペンギンさん、ごめんなさい()

そして、キャラ崩壊注意です

────────────────────────

ライブステージ……


そこはみずべちほーのほぼ中央に位置する島である。

みずべちほーには大小の島々が点在するが、この中でも最も大きく、広い島であった。

それゆえに、その面積のほとんどを水が占めているみずべちほーでは、何処からでもそのライブステージを見付けることができる。常にみずべちほーのシンボル的な場所であったそうだ。

しかし、わたしたちがその島に辿り着いたときは異様な雰囲気が島全体を覆っていた……



目的地ライブステージに装甲車が入場する。

入り口付近に装甲車を停車させ、展覗孔で周囲に敵影が居ないことを確認し、直ぐ様ハッチから顔をだし、より広い範囲の確認をする。

先ほどのセルリアンみたいな此方側ヒトの兵器を模した奴がいたら大変な目にあうからだ。

先ほどのセルリアンは自ら水雷艇の扱いに慣れているようではなかったが、それでも機関銃をぶっぱなしてくるだけでも十分な脅威だった。


幸いにしてその他のセルリアンは発見できず、先ほど倒したセルリアン一匹だけだったみたいだ。

しかし、セルリアン以外にも、フレンズも誰一人として見付からない。

ケープペンギン曰く、ここにはPPPの面々が居るらしいのだが…


「おーい!ふるるー!!皆~!!私がきたよー!!ケープペンギンだよ~!!」


ケープペンギンが、大声で叫び、PPPを呼ぶも、姿どころか声ひとつもしない。


「誰一人として見あたらないな」


他の3人に話かける。

先程からフレンズ1人どころか鳥の鳴き声さえ聴こえてこない。異様なほど静かな雰囲気が島全体を覆っていた。

自分と同じように辺りを見回していたフェネックとアライグマの2人も首を横に振る。

誰も見つからない。ということだ。


「一応、今日来ることは伝えてたんだよな?」

「うん、そのはずなんだけど……」


何度も周囲を見渡すが、しかし、動く影は何処にもない。


「フルル達皆どこ行っちゃったんだろう……」

ケープペンギンが顔を俯かせる。

PPPのフレンズ達の姿が見えないため、不安に駆られているようだ。


「うーん。皆さっきのセルリアンを見て隠れちゃったんじゃない?」

フェネックが言う。


「フェネックの言う通りだと思うのだ!きっと、皆隠れてるに違いないのだ!」

それに続いてアライグマもフェネックに同調するが…


「でも……」

それでも不安は拭えないといった様子。

よほど、PPPの皆のことが大好きなんだろう。


自分の知り合い……とくに仲の良いフレンズが居ない、見当たらないともなればその不安はとても大きなものだろう。


もしかしたら、偶然ここに居ないだけかもしれない。

しかし、この島全体を覆う空気が、決してそうではないと私たちに感じさせる。

やはり、何かあったのだろうか。

気を付けろという警鐘が頭の中に鳴り響いている。


フェネックとアライグマも雰囲気を感じ取ったのか、この島に入ってからずっと険しげな表情をみせている。

一方、ケープペンギンの顔がいよいよ絶望という感じに染まって来ている。

ただ単に姿が見えないだけだが、不安はどんどん溜まっていくばかりだろう。

その様子を見たフェネックとアライグマが何とか励まそうと声をかけているが、全くといって効果がないようだ。


やるしかないか……

あまり女の子に触れるというのはよくないだろうが……

軍手を外した手を、そっとケープペンギンの頭に添える


「ほぇ?」

「…!?」


不意を衝かれたとでもいうようにケープペンギンが気の抜けた声を漏らす。

ケープペンギンの頭を撫でながら話しかける。


「大丈夫だ、怖がる必要はない。」



不安や恐怖というのは一度生まれると中々消えるものではない。では、それらを落ち着かせるにはどうしたらよいか?


簡単な話、他人と触れていればいい。

例えば抱き締めるだとか、手を握ってあげる。

たったそれだけのことでも意外と安心出来るものだ。

自分一人では不安でも他の人と一緒なら……!

という感じだろうか。


といえども本来なら、年頃の女の子の頭を撫でるというのは憚られるべきだろう。

ではなぜ、彼女を手を握るなどもう少し易しいモノにしなかったのか。

それは彼女の着ている服が手もすっぽりと覆うジャージであったからという他ない。

ジャージ越しではヒトの暖かさは伝わりにくく安心させにくい。だからこそ頭を撫でるという行動になったわけだ。流石に女の子に正面から抱き締めるだとかは色々と問題が生じそうなので却下する。



ケープペンギは目を細めたものの、抵抗はしない。

どうやら嫌ではなかったようだ。


フェネックのふわふわの髪とはまた違った心地よい髪触りが私の手を包み込む。

出来ることならずっと触っていたい。

そう思わせるような触り心地だった。

なるべく丁寧に、ゆっくりとを心がける。

そして、同時に優しく声をかけてやる。

なるべく不安が小さくなるように……


「ねぇ、?」


ゾクリ

悪寒が背中に走る。

何かに睨まれているような

鋭い視線を背中に感じる……


振り返ると、フェネックが笑顔で突っ立っていた。

しかし、その目が笑ってはいない。

またあの顔だ。

いつもは眠たそうな瞳はいつになく開かれ、真っ黒な瞳孔が私を捉えている。

声が出てこない。

蛇に睨まれたカエルのようとはこういう事なんだなと場違いな思いが浮かんでくる。


「……そうだな。すまなかった」

数秒の沈黙の後、なんとか喉の奥から声を絞りだす。

と同時にケープペンギンを撫でていた手を離した。


「あっ…」

名残惜しそうな声をケープペンギンが漏らす。

聴こえなかぅたことにしよう。



「みんな、ごめんね……ちょっと取り乱してたみたい」


少しの後、ケープペンギンの申し訳なさそうに言う。

もちろん、まだ不安は残っているだろうし、本調子では無いだろうが、先ほどよりはよくなったという感じだ。恐らく、もう大丈夫だろう。



「とりあえず、これからについてなんだが……2人一組で1 チームとして捜索に行きたいと思っている。とりあえず斑分けとしては……─わたしロンメル、とケープペンギン。もう1つをアライグマとフェネックの2人という形で行こうと思っているんだが──何か質問はあるか……?」


ケープペンギンの調子も元に戻ったので、これからやることについて自分の案をおおまかに皆に話す。


やはり、内容は単純に誰にでもわかりやすく。

二手にわかれて探すというだけだ……



「はーい」

フェネックが手を挙げる。

先ほどの眼ではなくいつも通りの眠たげな眼に戻っている。やはり、一過性の病気か何かなのだろうか……

深い闇のようなその眼を頭の隅から追いやる



「どうした?」

「皆で別れて探した方がすぐに見つかると思うんだけど皆一緒にというのはどうしてなの~?」


なるほど……良い質問だ

「確かに、一人一人で別れて散策するというのも悪くはない。だが、一人だと必然的に死角が生まれるからな。」


「だが、二人で一組となれば死角も減らせるし、お互いに何かしら問題が発生したときにカバーが出来るから…」


なるほどね~とフェネックが言う

何度か頷いて、理解してくれたようだ。


「他に質問は……?」

もう一度、皆に問い掛ける


誰一人として手を挙げない。

3人とも目を此方にむけている。

つまりは、「質問は無い」ということだ……


3人に、補足するべき点を伝えた後、準備に取りかかる。といっても、3人とも準備するものが無いに等しいので、専らわたしの準備の時間だ。

3人に待機するように伝え、一旦車内へと戻る。

取って置きのブツを引っ張り出す時がきた。


砲塔のガンラックからMP40短機関銃マシーネンピストルを取りだす。

我がドイツの誇る、短機関銃だ。

折り畳み式のストックを伸ばし、もちろんマガジンも回収する。

装備品としてマガジンポーチにマガジンを納め、ベルトにくくりつける。


近距離での遭遇戦ではこれほど頼りになる銃器は、この場にないだろう。5.4kgという短機関銃としては重めの重量が、逆に安心感をもたらす。

こいつさえあれば負け要らずといったところか。


正直なところ、やはり先程のセルリアンとはまた違う何か驚異的なモノがこの島に居る予感がしてならない。

それはどれほどのものだろうか。

博士達も『最近セルリアンが増えている』と言っていた。

先程のSボートよりはマシな奴であって欲しいが…


取っ手をつかみ、慣性で一気に装甲車から身をのり出す。装甲車のすぐ目の前で3人が私を真っ直ぐと見ていた。


「さて、PPPを探しにいこうか…!」

頭の中に沸いてくる不吉な予感を圧し殺し、皆にそう言い放った。



そして誰も気付かない。

彼女の目が、黒く染まっていることに……

________________________

ケープペンギン 視点のようなもの


ライブステージに着いたとき、

わたしはとても怖かった。


誰もいなかったから。

昨日、ライブがあったなんて信じられないほどに静かなステージが眼前にあるだけだった。

ふるるも。他のみんなも。どこにもいない。

まるで、皆消えてしまったという感じだった


もしかしたら、違うところへ行っているのかも?

そんな考えが浮かんでくる。

そうだとしたらなんの問題もない。


しかし、昨日の初めてのライブで疲れているだろうに

何処かへ行こうとなど普通考えるだろうか。

それに、今日は会いに行くとふるる達に伝えていたはずだ。ふるるが約束をほっぽって何処かへ行く筈がない。



頭の中に不安と恐怖がわいてくる

もしかして……

もしかしたら。

有り得ないと否定しながらも最悪の考えが頭に浮かぶ


もし、さっきのセルリアンが私たちの前に皆を襲っていたら……


─きっと皆、やられたんだ

頭の中にそんな忌々しい考えが浮かぶ

違う、そんなわけない


─さっきのセルリアンの光る玉。恐ろしく速かったっし、ロンメルさんも言ってたよね?当たれば◯ぬって


それでもふるる達がやられちゃうわけがない


─本当に……?


そうだ。


─本当は思っているくせに


違う


─じゃあなんで、さっきから震えてるの……?


うるさい


─ねぇ、なんで?


うるさい


─ほら、説明できてないじゃん


うるさい……うるさい……


視界が真っ黒に染まっていく

─わたしは信じたくても、信じきれていない

PPPの皆を。そしてふるるも。




「─────」

フェネックが、アライさんが何かを言ってる

きっと様子がおかしい私を心配してくれているんだろう。


「でも」、耳に内容が入ってこない。


わたしの頭の中は真っ暗だ。

わたしの中のわたしふあんはどんどん大きくなっていく。


ぽんっ


不意にそんな音が聴こえた気がした


フワリと大きな影が優しくわたしの頭を覆う


「ほぇ?」


その優しい雰囲気に包まれ、気が抜けてしまう。

思わず変な声が漏れる


大きな影の正体は見なくてもわかった。


ゆっくり視線を挙げると、優しげな顔が視界に入った


さっきまでの真っ黒な心と視界が嘘のように晴れている


ロンメルさんの手は大きくてがさがさで……

撫で方もガシガシという乱暴な感じだけど……

それでも、不思議と痛くは無かった。


むしろ、優しさというのか不思議と心が温かくなる

とても心地よい。


不安と恐怖は完全に無くなってはいないけど

少し落ち着いた気がする。


それどころか体が火照っている

ずっと撫でられていたいもっと羽繕いして欲しい

わたしは心のなかでそう思った。


今こうしている間にも、ふるる達が危ないかもしれないことはわかってる。


それでも少しぐらい、甘えていたい

そう思うくらいには心地よい


そういえば誰かに羽繕いしてもらうのはこれが初めてだ。ふるるにも、してもらったことはない。

ケープペンギンわたしという動物は相互羽繕いというのを仲良しか、ツガイ同士でしかやらない。


つまり、ロンメルさんと……

嫌な気分はしない。

むしろ、そうなりたい


ロンメルさんの手に包まれながら、そう思う。


しかし、この優しい時間は直ぐに終わってしまう


フェネックさんがロンメルさんに制止を掛けたのだ。


「あ……」

ロンメルさんの大きな手が離れていく


わたしに安心感を与えてくれたものが……

わたしの恐怖を取り除いてくれたものが……

わたしの安らぎが……


離れていく


行かないで……

わたしから離れていかないで……

お願い、行かないで……


行かないで行かないで行かないで行かないで行かないで行かないで行かないで行かないで行かないで行かないで行かないで行かないで行かないで行かないで行かないで行かないで行かないで行かないで行かないで行かないで行かないで行かないで行かないで行かないで

イカナイデイカナイデイカナイデイカナイデイカナイデイカナイデイカナイデイカナイデイカナイデ……


どうして離れていくの?

どうして止めちゃったの……?

フェネックさんが止めたから……?


わたしの初めてをあげたんだから……


絶対に…ハナサナイ

────────────────────────


観客席や入り口がある島の手前部分をアライグマとフェネックが、ステージより奥の裏方の部分は我々が受け持つという話を決定した後、予定通り二手に別れる


このメンバーの中でこの島に詳しいケープペンギンとわたしがより複雑な舞台裏を調査するという案は直ぐに賛成された。


ステージの舞台裏はそこまで複雑なものではないらしく、幾つかの部屋とその奥の外への扉。こちらは船着き場と思われる桟橋と、そこに出演者用の練習場があるだけだ。


観客席側よりも、こちら側の方が、探しているPPPのメンバーが居る確率は高い


そして、もちろん危険性も段違いだろう

─────


ケープペンギンと扉を挟んで対峙する

お互いに目配せし、頷く

準備完了の合図だ。

ケープペンギンが音が出ないようにゆっくりとドアノブを捻る


そして、開いたところで中へと突入する。


部屋の隅々まで目を配るが、何一つとして動くものはない。


「ここもハズレか……」


部屋を幾つも見て回るが、やはり何処にもいない。


スタッフルーム、調理場、手洗い場、出演者控え部屋、会議室……


どうやらここは、管理室だったようだ。

ステージの照明器具の明るさ調整等に使うであろう機器が置いてあるのか見える。


「これで屋内は最後だったよな?」


「う、うん……そうだよ……」


部屋を一つ一つ見ていく度にだんだんとケープペンギンの元気が失くなっていく。

とりわけ、待機部屋からその傾向が強い。

「何、まだ外の桟橋がある。そちらも探してみよう」


「…… 」


「いつも、桟橋のレッスン場で練習してるんだろう?なら、きっとそこに居るはずだ。気に病むことはない」


何とか励まそうと言葉を掛けるが、全くといって良いほど上手い言葉が思い浮かばない。

いつもなら、部下の兵に対してスラスラと出てくる言葉が全くと言って良いほど出てこない。

どうしたものか……



「ねぇ、ロンメルさん……」


「何だろう?」


ケープペンギンが小さな声でわたしを呼ぶ


「あ、あの……また頭をその撫でて欲しいな~……なんて…」


「……お、おう?」


「そ、その……駄目…かな?」


彼女は涙を目に浮かべ、恐る恐るといった感じでわたしを見つめている。


「それくらいなら、別に問題ないが…」


そっと、彼女の頭に手を載せる。


「……!」

ケープペンギンがピクリと体を震わせる


「その……大丈夫か?」


「だ、だいじょぶ……続けて」


「あぁ……」


先程のように優しくゆっくりと手を動かす。

サラサラと髪の毛が指と指の間を通り抜ける。

絹糸のように細く、木綿のように柔らかい。

そんな感触がわたしの手を襲う。


「はうぅ……」


ケープペンギンが気の抜けた声を漏らす。

顔を俯かせているため、やはり顔を見ることは出来ないが、少しでもこれで落ち着いてくれていることを願うばかりだ……


しかし、まさか、頭を撫でることを懇願されるとは…

そんなに良かったのだろうか……?


うーむ……

悩むだけ無駄、ということだろう。

ここまで、PPPは見かけなかった。

つまり、次のレッスン場に居るということだろう。


警戒していかねば!


ケープペンギンを撫でている手とは反対の、MP40を握る手にいっそう力が篭った。

────────────────────────

『Ruhigen Bühne(静かなステージ)』end


もう一度あやまっておきます、ケープペンギンさん、ごめんなさい()


病み、もっといえばメンヘラとヤンデレってどう違うのか、違いを表現するのが難しい

どちらも愛ゆえだけども……


余談ですが、鳥のフレンズの頭を撫でるって羽繕いしてあげているということになると思っているんですが……

これは双羽繕いなのでは……?

つまり、鳥フレンズの頭を撫でること

イコール

仲良しかカップル(つがい)を意味しそうだな~なんて思ってます


もし、不本意だったとしても、鳥フレンズ(だけじゃないけど)の頭を撫でるのは控えた方が良さそう()




気付いたら春が終わり夏も過ぎ、秋も終わりかけだった……


どうも1498と申します。


また長いこと投稿出来なくて申し訳なかったです……実は6月にはほぼ完成してたのですが、色々と加えてたらそのままズルズルと……

なんとか、自分の誕生日までには間に合いました()



しかも、話は進まないし……アレ,イツモドオリジャネ

ごほん。行き当たりばったりな小説ですが、何とぞよろしくお願いしますm(_ _)m


では、また次回


次回『戦闘』

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