これは良いアレンジ!

「泰山府君」。能の四つの流派のひとつ、金剛流にのみ伝わる曲です。作者は世阿弥とされていて、世阿弥といえば「秘すれば花」という言葉が有名ですね。美は内に秘めてこそ崇高になる。大切なことは隠してこそ匂いたつ。あえて秘してこそ思いは伝わる。語りすぎは興ざめってことですね☆(はい、この時点で語りすぎっ)

 桜町中納言と称されるほどに桜と歌を愛した藤原成範を題材とした「泰山府君」は、わかりやすい筋で能になじみのない人でも楽しめる美しい能です。

 なーんて、小難しいことは置いといて(おまえが語ったんじゃあ!)その美しい舞台裏ではほんとにこんな事が起こっていたのでは……と思わせてくれるコミカルで楽しいお話です。作者様の語りの技量と文章力があってこそ。平安雅に酔いしれつつ笑って最後にはしんみりしちゃってください。

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