第6話

「待って!待ってったらっっ!」


シャオメイの声が今日も部屋に響く。


「嫌だ」


喉元に唇を這わせるとシャオメイの身体がぴくんと跳ねた。


彼女の香が香る胸に顔を埋めると、ゆっくりと帯を解く。


エイシュンが日に日に焦っていく様子に彼女は戸惑った。


そして、彼がどこまで自分に求めてきているのかわからない不安はいつもあった。


だから、怖かった。


一線を越えたら自分に飽きてしまうのではないかと。


「好きだシャオ」


彼女が抵抗していた腕が止まった。


「陛下…」


熱く火照った身体が彼女を抱きしめた。


「苦しい…苦しいんだシャオ」


「そん…」


頭の整理が追いつかない。


なだめるように肩に腕を回した。


余計に身体が密着し、エイシュンの鼓動を肌に感じた。


「ぅあっ」


秘部に優しく触れながら、彼の指がゆっくりと中に入ってくる。


大きく震える胸の先を舌先で愛撫すると、彼女は後ろに仰け反った。


そのまま敷布に倒すと、さらに彼女の中で指を増やし大きく上下させた。


「ッッッ!?」


身体の中がグワッと何かに奪われたように、視界がチカチカした。


ぽぅっとなり力が拔ける。


角度を変えて唇に口付けをすると、それはだんだんと首筋からお腹へと降りていった。


荒い呼吸を鎮めようとするが、なかなか治まらない。


今日は止めようとしない彼に困惑しつつ、ただ耐えて待った。


しかし、そのうち両膝を胸まで抱えられてギョッとした。


「エイシュンっ!?」


抑えが利かなくなった彼の一部がどんどん入ってくる。


「はぁっはぁっあっやっっ」


「入れるよりこっちに集中して」


秘部を指でグリグリと弄ばれ、なんとも言えないムズムズとした波が押し寄せた。


ーーーー…


彼女は気がついたら気を失っていたようで、目を覚ました。


さぁっと青ざめるシャオメイ。


行為の最中に寝てしまうとは幻滅されたかもしれない。


服はきっちり着せられていた。


いったいどのくらい気を失っていたのだろう?


寝台に背を向けて座っていたエイシュンが振り向くと、苦笑されてしまう。


「シャオメイにはまだ早かったかな?」


ガーンと音をたてて頭に突き刺さった。


ポロポロと涙が頬をつたう。


「エイシュン…がっかりした?」


「?」


両手の指を絡め、彼女の額にコツンと自分の額をくっつけた。


「もっと欲しくなった。そなたにがっかりするところなんてひとつもないが?」


エイシュンの指をきゅっと握り返す。


「最後までしたら、飽きちゃわない?」


「飽きる飽きないの話ではないと思うが?」


優しく口づけをし、首をかしげるエイシュン。


「まっこれは飽きないな」


彼女の目元がさらにじわっと潤み、どうしたものかと悩むエイシュン。


「シャオ、俺の事好きか?」


「好き…」


「愛してる?」


「愛…してる」


「本当?」


「きっ聞かないでもわかってると思いましたが!」


「俺だって不安なんだ、拒み続けられると胸が苦しくなる」


「ごめんなさい」


「まぁいい。それより両思いなんだから承諾したことでいいよな?」


「へ?」


「王妃になることだ」


「おっ王妃!?」


近くに居すぎて男と女である前に、自分達が王族であることを忘れていた。


元々が王族であるから抵抗はさほどでもない。


「でも…陛下はまだ姫を1人も迎えていません…利益なんてないじゃないですか」


「姫はそなただけでよい。利益?ヤル気ならでそうだ」


「なっ!?」


まだ何かを言おうとした口を塞ぐ。


「もう離してはやらん」


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

未定 りりにゃん @8655309

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る