侯爵家の長女、ローズが、顔を合わせる度にケンカばかりしているのは、伯爵家次男、マキシム。彼は男女問わずファンが多い色男なのですが、第一印象が悪かったせいか、それとも馬が合わないのか、憎まれ口をたたき合います。
けど、恋愛小説の定番、ケンカするほど実は気になる相手の法則は、この二人にも通用していて。気にくわないのに、ケンカばかりなのに、どうしてか互いのことが気になってしまう、ローズとマキシム。
しかし素直になれないせいか、二人は何度も……本当に何度も、誤解やすれ違いをすることに。読んでいる側としては、「違う、そうじゃない、どうしてちゃんと話し合わない!」と、じれったい二人にヤキモキしてしまいます。
ですが、すれ違いながらも少しずつ相手のことを認めていく二人が、何だか可愛くて。夢中になって読んでしまいます。
『王国物語』と言うシリーズの一作ですが、今作から読み始めても大丈夫。じれったくも暖かな二人の恋を、みんなで応援してあげましょう。
好きな人とはいつも仲睦まじくいたい。それが普通の感覚だと思いますが、物語の上では必ずしもそれが望まれているとは限りません。
第一印象最悪でケンカばかり。相手に気持ちが伝わらず、ホントは好き同士なのにすれ違い。そんな展開が好きって方もいるのではないでしょうか?
本作の主人公ローズと、ヒーローであるマックスは、まさにそんな感じの二人です。会えば必ず口喧嘩。君達、どっちでもいいから、いいかげん素直になっちゃいなよ。
しかしスレ違う二人をもっと見たいと言う読者の願いが届いたのか、最悪な誤解まで生んでしまう事に。
絶妙に噛み合わないまま進んでいく二人。このすれ違い、いったいどこまで続くのでしょう?