ぼくたちの妖精さんをまもって

@hinata-dabesa

第1話

 この世界には、大きな森がある。

空からながめればうっそうとしているが、足を踏み入れてみれば意外と明るいことに気付くだろう。

誰が枝打ちしたのか、木漏れ日があふれ、さらにコケを始めとして、かすかな光を放つ植物がそこかしこに茂っている。

生き物たちは確かにいるのだが、静謐を何よりも好む彼らを見つけることはとても難しい。音もたてず、争いもせず、しかし私たちの想像をこえたところで関わり合い助け合いながら、この森で生きている。

進みもせず、戻りもしない。あるがままをあるがままに受け入れ続ける森。

それが私の生きている場所、「アニマ」だ。


この何の物語も生み出すはずのなかった森は、一人の天使が降り立つところから姿を変えていくことになる。

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