小学生の藍には、小さな頃から大好きな人がいる。
近所に住む高校生の優斗。
彼はある日、不慮の事故により命を落とし、藍の初恋は、儚く散ったかのように思えましたが……。
藍が高校生になり、優斗と同じ高校に入学した途端、状況が変わります。
いたんです。
優斗が。
高校に。
幽霊になって。
そこから始まる、「まだ終わってない初恋」の物語。
こちらは、『初恋と幽霊』という前作があり、それを踏まえての二作目、となりますが……。
いや、いけるんじゃないかな。ここから読んでも。
今作は、変則的に番外編が差し挟まれ、十分前作の捕捉になっている部分もありますし……。
胸キュンシーンが盛りだくさんの今作は、こちらだけでも十分楽しめると思います。
ただ、キャラクターたちの成長を見守りたい、とおっしゃる方には、前作必読。
特に、啓太というキャラクターの心の動き、成長をしっかりととらえたい方は、一度『初恋と幽霊』にまでお戻りください。
恋のお相手が「幽霊」ということで、なんとなく切なさをまとわせるお話ですが……。
ラストはそれぞれの「未来」を見据えた、前向きな余韻が味わえる物語です。
ぜひ、ご一読を。
読了後のレビューです。
少しだけネタバレになってしまうかもしれないですが……私は物語の続きを感じさせてくれる完結が大好きで、この物語の結末もその後の続きを感じさせてくれる温かく心地よいものでした。
こう書いてしまいますと、結末を気にする方々がいらっしゃるかもしれませんが、この結末の心地良さは物語の流れを知ってこそのものなので、是非ともこの物語をお読み頂きたく思います。
温かさと切なさが交差する初恋と青春の物語……片思いの彼を応援したい‼︎だけどやっぱり彼女の初恋は何よりも大切な想い。
読んでいく中、みんなを応援したくなること間違いなし‼︎と思います。
本作品の幽霊の名前が、私の書いている作品の主人公の名前と一緒だ!と、思い読み始めました!(※不純な動機ですみません )
シリーズの2ということでしたが、読んでいなくても楽しめるように意識されて書いているのか、とても読みやすくシナリオも構成されています!
主人公啓太は、藍という少女に恋をしているのですが、藍は兄のような存在であり、幽霊でもある優斗のことが好きなのだけれど、主人公啓太の気持ちが痛いほど何故か共感できます。
ジェラシーというか、背中がムズムズするような、そんな気持ちになるのは恐らく一度は経験がある、そんな若かりし頃を経験したことがあるからではないでしょうか。
物語はバンド、男女の交遊関係、なにやら企む叶先輩という男、そして優斗は……。
起承転結がしっかりされていて、学生ラブコメにスパイスと個性が混じった名作を匂わせる作品だと感じました!!
是非ともご覧あれ!!