作者様はバレエをなさっているのでしょうか。
コッペリア、という有名なバレエの振付の一つ一つが、丁寧に、かつ煩くなく説明されているので、舞台の情景がすんなりと頭に浮かんできます。
そうした細やかな気配りのある地の文に、少女とその家族の思いが絡み、舞台裏のハラハラした緊張感や、客席で見守る側の息を詰める思いが伝わります。
ステージ・ライトを浴びてキラキラ光るバレエの衣装が、バレリーナのステップに合わせて美しく飛び跳ねるのが見えるよう。
音楽の好きな方、バレエの好きな方ならもちろん、そうでない方も舞台に魅了されること間違いなしの、可愛くて美しい、そして優しい物語です。